第12話 少女たち

文字数 212文字

「なんで生きてるんだろう」
「わたしの父は、家族のためだって」
「ひとりじゃ、見つけられなかったのね」

「自分のために生きりゃいいのにね」
「大人って、みんな変なこと言ってるね」

「母親は、子どものため」
「社長は会社のため」
「総理大臣は国民のため」

「ウソだよね」
「うん」

草原の一角。
少女たちは木の下に座って、
クスクス笑い合っている。
視線は、真っ直ぐだ。

夕暮れが近い。
 
今日が終わって、明日になったら
この世界、一変しているかもしれない。
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