ふかふかモップ

文字数 350文字

あと数時間たったら
空と地面の隙間もすっかりなくなって

頭の骨もぺしゃんこにされちゃうんだろうなって全てを諦めた12時53分に

僕の椅子の左側からあなたが現れる

「ふかふかのモップあげる」

渡されたふかふかのモップはたしかにふかふかして暖かかった

「要らなかったら捨てていいからね」
と云ってあなたは消えた

外に出ると空と地面はあなたに怒られてしょんぼりしていた

あなたが忘れていること

最初にあなたは僕を人の形にして
気まぐれでピエロのぬいぐるみにして 
遊び相手に困ったら大きな犬にして 
寂しくなると美しい恋人にした

でも いつしか 
あなたはふかふかのモップになった僕を忘れてしまった

だから 最後は捨ててほしい

要らなくなったら捨ててほしい

あなたの手で どうか

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み