薄明の最中

文字数 251文字

草木が鳴くのは風のせい
風が騒ぐのは海のせい
海が起きるのは月のせい
いつまで経っても眠れないから
月の灯りで本を照らした

目が潰れたのは涙のせい
隠れているのは朝のせい
窓が冷えるのは冬のせい
着替えも化粧もしなくていいから
じっとそこに居ればいい

朝が来るのは夜のせい
夜が怖いのはたぶん気のせい
そのうち朝が怖くなる
夜が空を明け渡すから
どうぞどうぞと明け渡すから

私の抵抗も虚しく
いともたやすく朝になる

隙間をふさいで
テープか何かで
声も通さないように
そのうち息ができなくなるくらい
きつくきつくふさいでね
きつくきつくふさいでね
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