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【詩集】朝が来ない夜
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冬のそぶり
文字数 182文字
子ども会へと急ぐ娘の歩きにくい駒下駄が冬のそぶりをみせるとき、
私は睫毛を真鍮線に替える。
妻の付き添いが鶴のように白い肌を薄紅に染めたとき、
私は指爪を合成樹脂に替える
高台のアーケード、見上げれば春、
まだ寒い午後と夕方のあいだ
私といえば自分の鋳物を作る
なるほどそこに流し込む沢山の冬、冬
固まったそれが冬のそぶりを見せたとき、
私の血液は反時計回りに流れる有機溶剤になる。
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