深海の水圧
文字数 231文字
生まれてこなければ良かったと、死んでしまいたいの差異を教えて
深海のなかは孤独
水圧が私をひとりにする
息継ぎをしに水面を目指す鯨は、この世で最も自由な生き物
子どもの頃、母親に呼吸の仕方を教えてもらった
また、できないことがひとつ増えてしまった
生まれてきたことが間違いだったなら、私はどんなに幸せだっただろう
私は私から生まれた
そして、この深海の水圧のなかで育った
意識が遠くなることがこんなにも甘く、まだるく、ふかふかしているなんて、いつまでも知ることはなかったはずなのに
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