お化け

文字数 242文字

しばらく
動けず
僕は
取り残された

腰が
抜けた
のは
初めて


声も
出ない


吊革に
つかまった
三つ目のお化け


腰が
抜けた
僕だけでなく
三つ目のお化けにも
誰も
気づかない


と、その時
一つ目小僧だった
頃を思い出した

元から人間
みたいに
生きているけれど
僕は
あちらだったのだ

三つ目のお化けは
一つ目小僧から
進化した
本当の僕で
仮の僕は
本当の僕を見て
腰を
抜かした
ということになる

そろそろ
人間としては限界
なのかもしれないな

大きな決断を
迫られる最終電車

もう
折り返しは
ないから
ベンチで始発待ち
しながら
考えるとしよう

今日は
飲み過ぎた
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