飲める悲しさ

文字数 180文字

どうしたわけか
飲んでも
飲んでも
いくら飲んでも
酔わない

いつの間にか
体質が変わった
らしい

みんな
酔い潰れているのに
一人で飲み続ける

嫌なことが
あって
嫌なことを
忘れたくて
飲み続けていたら
いくらでも
飲める体になっていた

ひとりで
飲んでも
楽しくないのだが
水のように
飲み続ける

新聞配達のバイクが
走り去って行く

仲間からも
世の中からも
取り残され
ひとり飲む朝

酔えずに
嫌なことを
思い出す
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