或る老婆の願い

文字数 167文字

終らない夏は
秋を過ぎ
冬も越す

桜の春は
あっという間に
駆け抜けていく

季節に
流され
時間が
解決してくれる

そんな悲しみなら
良かったのに

やがて
忘れる
なんて
嘘つきだ


いくつも
夏が通り過ぎました

私は
ずっと
立ち続けています

帰ることのない
あなたの
帰りを待って

おばあちゃん
と呼ばれる
姿になっても
待ち続けています

もう
涙も
出ません

そろそろ
迎えに
来てくれませんか?
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