第34話 夜のプールに輝く

文字数 7,572文字

第9章 プールでの激闘

「よし展示室の問題も完全解決したし
プールに行ってみよう」
ホテルの屋上にあるのでエレベーターに乗る。
程なくしてプールに到着。無料らしい。
中々良心的なホテルだ。一般公開もしている。
その場合は大人800円 子供400円らしいが
宿泊客は無料である。水着も無料でレンタル可能。
しかし、アリサは泳げない為借りずに入った。
そして、プールサイドを私服でうろつく。
あいつを探す為に。傍から見れば不審者であるが
本人には勧善懲悪の大義名分がある。
誰にどう見られようと構わないのだ。

ホテルイーグルスノーのプールは
夜間も開放している。ウォータースライダーもあり
その下に大きいプールがある。
隣には、小さめの浅い幼児用のプールもある。
昼間の中学生達のはしゃぎ声は無く
まったり落ち着いた雰囲気である。
だが夜間でも照明の強さのお陰もあり、明るさは
昼間とそんなに変わらない。
夜中なのに、ビキニ姿のお姉さんもサングラスを
かけて歩いている。

ウォータースライダーも一応使用可能だが
夜は使っている人は少ない。
そして、大小のプール間に
スラっとした紳士の銅像が建っている。
斉藤隆之ではないようだが? 
前代のオーナーなのだろうか?
近くへ行ってよーく見てみると
台座の裏に隠れユッキーが一匹。

「撮去っと」
瞬時に黒くなる。

「まず一匹と。ここ多そうだな
心してかからないと」

最悪の事態を想定しつつプールサイドを歩いていると
一人の少年がアリサに声を掛けてくる。
中学生位だろうか? アニメ、サザメさんに出てくる
大磯野カチオのような坊主頭。
トランクスの海水パンツには虎の刺繍がされている。
かなり腹筋は鍛えられていて6つに割れている。

「おいおめ、こっただとこにす服できてっけど
水着どしただ?」

よく分からないが、水着で来ていない事に
疑問を抱いているようだ。

「え? なんて?」
初めて聞く方言に戸惑うアリサ。

「水着どしただ?」

「ああ水着を着ていないからか。
私は泳げないから・・いえ
あどでーうんとねーわだすおよげねがらー
すふくできただ」
アリサは、お笑い芸人のバナナナナナナナマンの
レッドドラゴン火村の少年時代の鷹乃鼻の
ものまねを取り入れつつ
先程の少年の喋りを見様見真似の方言で喋る。

「え? 何て言っただ?」
しかし少年には通じていなかった。

「何でよ? 完コピしたでしょ? 通じてよ!
ならこれならどう? こうこうで、こうよ」
両手で水を掻く様なジェスチャーをした後
両手で×を作り泳げない事を伝える。

「あーわがっだど、おめ戦が好きなんだっぺな? 
いっぺぇ誰がを殴っでだど
ぞのあど人が死んでじまっで×印だべな。
だだがう女がー ごええごええ」
通じてくれない・・

「何で水を掻く仕草を戦いに見間違えるのよ?」

「まあいいだ、おら虎威明日郎(とらいあすろう)
ドライアズロンちゅう競技を将来やりだぐで
ごごで練習じでるだ。夜はプールで泳ぎ、
昼は部活で長距離走をやっでるだ
自転車は通学で乗っでっがら何とか全部やれでいるだよ。
おめも泳ぎにぎだんだべ? なのにす服じゃ邪魔だべよ」

「アリサは隠れユッキーをここに探しに来ただけで
泳ぎには来ていないのよ?」
駄目元で普通に喋るアリサ。

「はあごごに泊まっでんのがおめ」
なんと普通に喋ったら通じていた! 
田舎から都会に引っ越してきているこの少年
標準語は喋れないだけで、聞き取る事は出来る様だ。

「通じたみたい! 何だ標準語分かるんだ。
先入観で色々やったのがバカみたいじゃない」

「んだ、おめ突然おがじなはなじがだずっがら
びっくらごいだべよ。だどもおめ
豆粒みてえにちっけえから
一番浅せえごども用のどごでも頭まで
浸かっちまうっぺなカカカッ」
何か釈然としないが納得するアリサ。

「それに関してはごめんね。
それに、プールには入らないから大丈夫よ。
でも、小さいは余計よ
言っておくけど豆粒よりは遥かに大きいからね?
しかし、虎威明日郎がトライアスロンかー
周囲に期待されて潰れて行く未来が見えるわ。
だって、貴方は必ず一位を取らなければいけないと言う
重圧に耐えながら
トレーニングしていかなくてはいけないのよ?」

「んだな、虎威明日郎でトライアスロンの選手なのに
2位でずがー? なんてオラァ言われたがねえがんな
必死だべよ」

「必死だと言うのなら、通学での自転車の移動のみで
自転車の練習はOKと思っている様な甘い考えは
捨てた方が良いと思うわ。
トライアスロンでバイクは一番長い距離を走るのよ?
通学の移動距離では練習にならないと思うの。
水泳の日と自転車の日を均等に配分した方が良いわ」

「ぞ、ぞうが。言われで見りゃあだじがにぞうだべ
ガヅーンとバンマーでだだがれだ感覚だべ。
わがっだ今がら30階の運動場で
自転車の練習してくっべありがどなー。ごれやる!」

少年は運動後に飲む予定だったであろう
ウォダーインゼリーをアリサに渡して走っていった。

「何か貰ったわ。へへへ何かなこれ? 
まあ後でよく見てみましょう。
さて、あれを探す続きをせねば。まだ絶対残ってる!」
 
 田舎者のアリサにはこれが何なのかは
よく分からないが、銀色の綺麗な袋は見た瞬間に
アリサにとって宝物になったのであった。
そして、まだ見ぬ隠れユッキーの気配を
アリサレーダーは嗅ぎ取る。
アリサの勘は鋭い。暫くプールサイドを歩き回った末
ウォータースライダーの付近に一つ
おかしな方向を向いたライトが地面の一点を
無意味に照らしていた。
他のライトは白っぽい光でプールの方を向き
照らしていると言うのに
そのライトだけは茶色い光であさっての方向を向き
地面を照らしているのだ。
不審に思ったアリサはその光の所へ近寄る。

「!!!!!!!」

アリサの心臓が一瞬止まる。
「くっ」

何とその茶色い光自体が、隠れユッキーだったのだ。
ライトのガラス部分にユッキーの絵が描かれていて
光が当たった地面に隠れユッキーとして映るように
計算されているのだ。恐らく光の加減、そして
光が当たった地面との距離も微調整しない限り
ここまでクッキリと映し出される事は無いであろう。
もし一人でここに訪れてこんな悪魔を目撃したら
余程耐性のある人間でない限り
ぽっくり逝ってしまうかもしれない。

 技術的にも日本有数の人間国宝級の巧が
このガラスを作成したのであろう。
植物園で係のお姉さんが言っていた人間国宝は
ガラスの表面に精巧な絵を描く人だったのだ。
夜のプールにのみ現れる悪魔。
隆之の金で作らされた罪深き害術。
闇夜に現れる手の込んだ光り輝く殺人兵器。
このユッキー長時間オーナーの顔写真を見ながら
作ったと思われる。
従ってこれを作った後間違いなく後遺症で
この技術は失われてしまった筈。
その人間国宝の最後の作品がこんな物とは
皮肉である。だがこれぞ
隠れユッキーに相応しい物ではないだろうか?

「はぁ、はぁ、びっくりしたぁ。
危うくショック死する寸前だったわ・・
なんて事を考え出すんだあのじじいは。許さない!」

エクスクラメーションマークが7つを記録したアリサ。
心臓に極太の毛が生えているアリサでもこれなのだから
一般人は即死だろう。アリサの正義の心が頂点に達する。
しかし冷静に撮影してから考えるアリサ。
しかし、相手は5メートル程の高さにあるガラスの球体
あれを黒く塗り潰すか破壊しなくては
一生このユッキーは残り続ける。
これは地面を塗り潰しても目立ちこそしないが
根本的に塗り潰した事にはならない。
かつて無い難問に直面し心躍るアリサ。

「クククク・・嬉しいねぇ・・でも私も
推理クラブの副部長なのよ?
この程度でお手上げですなんて言えないわ。
私は、今まで見つけたユッキーは
殆ど塗り潰してきたのよ?
これだけ無理でしたなんて諦められる訳が無い!!
完璧な推理であんたを塗り潰してやるからね!!!」

そうなのだ。プラネタリウムで一匹殺り損っている。
それを改めて思い出し(ほぞ)を噛むアリサ
怒りが更に膨れ上がる!
法律的には確実に器物損壊をやっているアリサだが
分っていてももう止められない。
ママから許可を下りている事も助長する。
しかしどうやって消すのだろうか?
高い所と言えばロウ・ガイの必中投擲が活躍したが
今はビュッフェにも入れず黒いボールが作れない。

キュルルルル・・アリサは左手人差し指を眉間(みけん)に当て
急速に脳の回転を行い、プールの全体像を
克明に頭の中に描く。そして・・・閃く!!

「そうだ! ウォータースライダーに乗ろう! 
浮き輪を付けていけば大丈夫だ!」

突然何を言い出すのかと思った方。それで正常だ。
しかし、アリサは常人ならぬ空間把握能力を有している。
ホテル全体を克明に頭の中で再現可能なのだ。

 彼女が何を言いたいかと言うと
このホテルのプールには、ウォータースライダーがあり
螺旋状になった滑り台の通り道に
あの照明に近づける場所が一箇所だけ存在する。
何度も滑って、その照明に一番近づいたポイントで
棒状の物に(くく)り付けて延長してあるマジックで
少しずつ塗り潰す作戦なのだ。
危ないから無理だろうって? 
この子の諦めの悪さは日本一なのだ。
そんな事言ったらアリサに笑われてしまうだろう。

「早速水着と油性のマジックもレンタルしてっと
流石に水性マジックでは力不足だしここに置いて行くわ。
今までありがとね♪」

「ひどいよアリサ・・ぜったいにゆるさない!」

また何かの声が響くが、当然誰にも届いていない。

受付に戻り、水着と浮き輪と油性のマジックと
アロンベータと80センチ位の長さの透明の棒と
ビニールテープを借りるアリサ。
油性のマジックはホテル一階の
事務員の所まで受付が態々取りに行ったのだ。

「はあ疲れた。お嬢ちゃんが焦らせるから
走って借りてきたけど、こんな物何に使うの?」

「世直し」

もう一度言うが、この子はおかしいのだ。
不思議そうに聞いてきたお姉さんに対し
貴女何そんな当然の事を聞いてくるの? 
常識は無いのかしら? と言わんばかりの表情である。
そして、目標の為なら苦手な水泳も克服してしまう。
何故そこまでするのか彼女に聞いてみても
彼女はこう言うだろう。

「そこにユッキーがあるからさ」
と。
とにかく彼女は敵に回したら危険な女の子なのだ。

更衣室に行って着替えてくる。
途中壁に隠れユッキーが居たのだが
新品のマジックが勿体無かったので使わなかった。
手に届く位置でいつでも潰せる。
帰りにちょちょいと殺せばいいとの考えか?
舐めプをしているのかアリサよ? 
油断禁物であるぞ! 本当に大丈夫なのか?

カキーン

?何の音であろうか

「ふん、お前の相手は後でな。これは
もっと強いやつを殺す武器だからな 
お前には後でもっといい死をくれてやる」

何故か余裕のアリサ。というのもアリサは
このユッキーを見ても
脳にダメージを受ける事がなくなったのだ。
度重なる消去活動による免疫上昇。カキーンという音は
ユッキーの攻撃を弾いた音。
所謂(いわゆる)レベルアップだ。
更に殺しがやり易くなった。
アリサがレンタル出来たのはサイズが一番小さい
学校でも着ている普通の黒いスクール水着だった。
着替えを済まし
棒にアロンベータを塗りマジックを着け
更にその上からテープを巻き固定する。
対照明用兵器も完成。

そしてケガを絆創膏1枚で治療中だが水に入る前に
その上からテープをしっかり巻き補強する。

「これで完璧ね。・・そうだ!
水着にもなった事だし
ケイトちゃんに負けない様に私も
読者サービスしとこう。でも読者って何だろう
一生分からないわ。まあそれでもいいや」

くねくね

アリサが水着姿で体をくねくねして
読者様達にサービスしている様だ。

「よし、未来永劫理解する事は出来ない単語の
読者サービスも済んだ事だし・・・まてよ?
ケイトちゃんはパンツまで見せてのサービス。
それなのに私はたった二回しただけ・・
これじゃいけないね」
くねくねくねくねくねくねくねくねくねく
ねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくね
くねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくね
ねくねくねくねくねくねくねくねくねくねくね

「あー疲れたぁ♡完全に意味不明の
読者サービスって大変ね。どういう事かしら?
これだけやればパンツに勝ったかな? よし行くか」
しかし、誰もアリサからサービスは受けてはいない。
それどころかこれを見た全ての人間が
「くね」
の羅列によるゲシュタルト崩壊が起こしただけであった。
この程度で私の憧れのケイトに勝った等と
意味不明の事を言わないでほしいものである。

夜なのもあり水着姿で透明の棒で延長された
マジック棒を持っていてもあまり目立たない。

「よしスタートオペレイションズだ。
と、その前に看板を見てみようっと」
棒状の物を持って滑っては駄目という
注意書きがないかをチェックする。

「怪しいのはこの辺かな・・
『プールには、プラスチックゴーグル
バスタオル以外の持ち込みはできません』
『ウォータースライダーは
身長120cm以下の児童は利用できません』かあ
まあこの棒はプラスチックゴーグルみたいなものだし
良いとして私は身長120丁度でどこからどう見ても
児童でもない大人のレディだし
身長120以下が禁止だからギリギリオッケーよね?
まあこれも大丈夫っと。
何とか条件はパスしたみたいね」

・・・満たしてはいないと思うが・・
まあ大目に見ていただきたい。
これは世直しの為の戦いであり
これを出来るのはユッキーを見ても
ギリギリショック死しない
唯一無二の能力を持った彼女だけなのだ!
彼女がもしやる気を失ったら
大量の死者が出る事は火を見るより明らか
皆さんも彼女を応援してほしい!
まずは、何も持たずに数回滑って慣れてみる。
シュー ザプーン

「おー。冷たくて気持ち良いいわね」
夏の夜。昼の暑さに比べれば涼しくなって来ているが
少し蒸し暑い。スライダーの水が心地良い。

「しかも、結構楽しいじゃないw・・否!! 
これは遊びではないのだ
仕事として割り切らねばな」

夏休みで、本来遊んでもいい筈であるが
今は達人の域まで登り詰めた

『塗り潰師』

としての仕事中のアリサは
仕事と割り切り行動するよう反省したのであった。
本当に自分に厳しい少女である。因みにこの仕事
給料は一切発生せず少しずつ寿命が削られると言った
おまけ付きの仕事である。
こう語ってしまうと誰一人やらないであろう
この激務を、たった一人で行っている。
アリサ・・なんて健気な子なのだ。
残業する度に面倒くせえなあーと
文句を言っている私の後輩に
このアリサの健気な姿を見せてやりたい位である。

「よし、練習はこれ位にしてマジックを持って滑るぞ」
注意書きの看板に立てかけておいた武器を手に取り
仕事を開始する!
その姿は北欧神オーディンを髣髴とさせる出で立ち
手に持ったマジック延長棒はグングニル
その槍を操り悪を黒く染める。オーディンアリサ
シューン ヒュンヒュン
滑っては塗り、滑っては外し、それでも諦めず
何度も何度も滑るアリサ。

「やあー てやあー」
20回位滑っただろうか? 
次第に滑水中での体のバランスの取り方
スピードにも目が慣れてきて
冷静に行動出来る様になってきた。
しかし、夏とは言え、ずっと水に浸かっていては
少女の体温を徐々に奪っていっている事実もある。

「ア、ア、アーチュー。あれ? 
何か寒くなってきたかも」
アメリカ式のくしゃみをするアリサ。

体力もいつまで続くか分らない。それでも!
「諦めてなるものか!!」

ゴウッ!!

彼女の周囲にうっすらと炎の様な物が浮かび上がる。
これは恐らく正義の炎。
それはプールの水温如きでは消される事は無い!
そう、命そのものを燃焼させプールに対峙する。
 
 両親共に刑事のアリサは
小さい頃から二人の仕事の話を聞いて育ってきた。
更に年末は刑事ユロソボや新畑仕三郎を全話一気見をして
常に正義の心を練磨している。
正義感は同級生の中でもダントツである。
刑事のモノマネレパートリーは200を超える。
 しかし、アリサですら
ライトのユッキーを見た時7つだった。
それは心臓に毛の生えたアリサだから
その程度で済んだだけで
凡人ではなんと倍の14個分の
エクスクラメーションマークに相当する。
8つで死亡する事は前述しているので
アリサ以外の全ての人間がこれを見たら即死なのだ。
否、それだけではない。しかもオーバーキルである。
どういう事かというと、死んで霊体になったら
14個分の衝撃を受ける事になるが
肉体の時に8個分の衝撃を受け止め
8は消費する事は出来る。しかしまだ6残っている。
そこから霊体の状態でも6個分の衝撃を喰らう。

そう、霊体も8で死んでしまうから8-6で2となり
死してなお瀕死になるレベルなのだ。
霊体状態での死は、完全なる無を意味する。
輪廻転生の理を根底から覆してしまう行為
それを斉藤隆之は高い金をかけてやっているのだ。
例え本人に自覚が無いと言えど許せる事ではない
一般人がこれを見つける前に消すしかない!

 強い心がアリサを突き動かす。
死んだ者に更に鞭を打つ様な殺し方をする
この灯りを絶対に野放しにする訳にはいかない。
 アリサは、滑り台からプールに落ちる時
絶対にマジックを濡らさない為に
照明を塗ったのを確認、そこから
らせん状の滑り台を3周回ってからプールに落ちるが
着水する前に延長したマジックをプールサイドに
投げ水中に入れない様にする徹底振りだ。
もし下まで降りてしまったら
マジックは駄目になってしまう。
その繰り返しによりアリサの体はボロボロだ。
だがっ!!! 目だけは死んでいない。
何? 何度も何度もマジック付き棒を投げていては
衝撃で壊れてしまうのではないかだと? 
その点は安心してほしい。
瞬間接着剤アロンベータで固定している。
象が踏んでも壊れない状態になっているのだ。
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