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文字数 807文字

「……ん? ここは?」

 目を覚ますと、オレと高坂は異世界の格好のまま、広場に転がっていた。

「どうやら元の世界に戻ったみたいだな。日付とかはズレてないだろうな? 異世界に言っていたら1年経過してた、とか」

 オレはスマホを確認する。元の世界に戻って来たとしたら、スマホは使えるはずだから。

「202X年……日付も変わっていない。ただ、時間がちょっとズレただけか。今は深夜1時……ったく、とんだ騒動だったが、夢というわけじゃなさそうだな。この格好」
「だな。まぁ深夜だから歩いている輩はヤンキーくらいだし、なんか言われたら殺ればいいか」

 相変わらずのナチュラルボーンバンデット。ただ、ここでオレは終われない。なんたって、オレの最初の目的は、高坂を倒すことだ。でも……。

「どうした? サキ」
「い、いや……」

 おかしいぞ、オレ。踊り子姿の高坂を見ると、胸がバクバクしちまう! これってまさか……。

「ふふん、顔がさっきから赤いが? どうした。まさか異世界のいざこざがあったせいで私に惚れた、とか?」
「う、うっせー!!」
「図星か?」

 く、悔しい。こんなクソ女なんかに惚れたなんて、どうしたよ!? オレ……。でも、惚れちまったなら仕方ない。

「違うんだったらまたタイマンの続きを……」

 高坂が100均バンドに手をかけたところでオレはその腕を取る。

「なっ……」
「つーかまえた。やっと触れたぞ? 西東京の魔女! これでオレの勝ちだな?」
「はぁ!? 何寝ぼけたこと……」

 ちゅっ。

「!!」

軽く口づけると、高坂は顔を真っ赤にする。

「……私は自分より弱い男は嫌いだ」
「だったら西東京で修行する。そんで、またここに来る! いいか? おめぇに勝つまで、何度でも!」
「……酔狂なやつだな。また来いよ!」

 高坂はニヤリと不敵に笑う。この女は……これだから面白れぇ。

 高坂との異世界転移の話はここで終わりだが、高坂とオレとの恋の戦いは、これからが本番だ!!

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