よん
文字数 567文字
半田さんから渡された資料を見ていると、後輩社員の橋本がやって来た。5年目の26歳で、同じ採用チームだ。短い髪をジェルで固めて、出来るサラリーマン風を演出している。どいつもこいつも・・・少しは1人で仕事をさせて欲しくなる。
「早乙女さん、今年から2次面接担当なんですね。僕と早乙女さんの飴と鞭コンビももう出来なくなるのかぁ。残念です」
社交辞令もいいところだが、1割くらいは残念そうにも見える。
「おまえが飴で、俺が鞭ってか?いいよなぁ、好感度が上がって」
「早乙女さんが淡々としているので、僕がフォローするしかないんですよ」
「そんなつもりはないんだけどなぁ。気を遣わせてごめんな」
「おっと、僕には飴をくれるんですね」
「一応感謝しておこうと思って。橋本ももう少し年次が上がったらまた一緒に面接官できるよ」
「なんか、雲の上の存在になった感じですね」
「何言ってんだよ。俺はまだおまえと同じ20代だぞ」
慣れない言葉に、咄嗟に言葉を返さずにはいられなかった。29歳の俺は、橋本から見てどんな風に映っているのだろう。俺は、自分が思っているほど若くはないのだろうか。
「そうでしたね。じゃあ、僕が付けた評価で何かありましたら、いつでもお声掛けください」
「あぁ、分かった」
「それじゃあ、お疲れ様です」
彼はペコッと頭を下げて近くの会議室へと消えていった。
「早乙女さん、今年から2次面接担当なんですね。僕と早乙女さんの飴と鞭コンビももう出来なくなるのかぁ。残念です」
社交辞令もいいところだが、1割くらいは残念そうにも見える。
「おまえが飴で、俺が鞭ってか?いいよなぁ、好感度が上がって」
「早乙女さんが淡々としているので、僕がフォローするしかないんですよ」
「そんなつもりはないんだけどなぁ。気を遣わせてごめんな」
「おっと、僕には飴をくれるんですね」
「一応感謝しておこうと思って。橋本ももう少し年次が上がったらまた一緒に面接官できるよ」
「なんか、雲の上の存在になった感じですね」
「何言ってんだよ。俺はまだおまえと同じ20代だぞ」
慣れない言葉に、咄嗟に言葉を返さずにはいられなかった。29歳の俺は、橋本から見てどんな風に映っているのだろう。俺は、自分が思っているほど若くはないのだろうか。
「そうでしたね。じゃあ、僕が付けた評価で何かありましたら、いつでもお声掛けください」
「あぁ、分かった」
「それじゃあ、お疲れ様です」
彼はペコッと頭を下げて近くの会議室へと消えていった。