夏祭り

文字数 301文字

夏祭りの夜は提灯の明かりが
無数に空を描き続けていた
絵の具と融合した空の青さが
真っ黒に染まっていく
揺らいでいく傷ついた目の輝きは
時計の針と共に消失していく
人々の流れが連なって
忘れかけた思い出が蘇る
あなたと出会った時に
感じた空気や情景は
今でもこの場所に残り続けている
記憶と人間の精神が
長い夜を照らしていく
地球は重力で
月と一定の距離を
忘れかけた雨の日が
降り続くのは
昨日の夕暮れ時だった
ただ広がっていく
いつか夢見た祭りの日が
遠くからあなたの声が聞こえる
微笑んでいたから
いつまでもそこに響き続ける
長い沈黙が静かに
呼び覚ます音を聞いた
音楽は鳴りやまない
遠くに海が広がっていく
波の音が聞こえる
解放の曲は
やけに騒がしい
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