文字数 340文字

レストランの中の
静かな話し声と音楽の
あなたの微笑みの中に
それが現実だったのか
今でもわからずに
ナイフとフォークで
料理を口に運ぶ
あなたは話をしていたから
それは孤独を紛らわせる
ワインの酔いかもしれない
夜をやり過ごして朝を迎えるとき
休日のカーテンの隙間から差し込む
朝日がなんだか眩しく感じる
それらは無数の願望が積み重なって
静かに浮かんでくる
できるかぎりのことをあなたにしたかったし
それが間違ったことだったなら
そういう結果になるのだろう
今でもわからずに
ただ時間が過ぎて行って
コーヒーの香りに
揺らいで苛まれていた
様々なことが浮かんでは消えていき
食器の音が部屋に響く
消えかかった幻想は今でも
水の音と共に
時々蘇ってくる
一度は離れたけれど
また会えたとしたら
きっと嘘の中に本当のことを
語るかもしれない

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