春夏秋冬

四月の　春の木漏れ日のようなやさしさを持ちたい
そっと　
背中に触れるくらいの
あたたかさ

七月の　夏のそよ風のようなやわらかさを持ちたい
ふわりと
肌を撫でるくらいの
さわやかさ

九月の　秋の小雨のようなしずけさを持ちたい
しとしとと
心が静まるくらいの
おだやかさ

一月の　冬の嵐のようなきびしさを持ちたい
ごうごうと
顔に吹きつけるくらいの
ひたむきさ

多忙を極め
流されるように生きるしかないこの世界では
心に四季を持つことは容易なことではない

それでも証明したい
流れゆく時間の中
移ろいゆく生命の在り方を知っている
僕達日本人にしかできないことだって