灰色の世界

文字数 345文字

踏みつぶされる草々のことなど
誰も気にとめない
手折られる花々のことなど
誰も気にしない

外の者達

彼等は知っているのだろうか
その 一つ 一つに
名前が付いているなんて
彼等は想像できるのだろうか
あの澄んだ青い空から
穢れた赤い炎が降って来るなんて

閉じられたこの世界で
唯一自由の意味を教えてくれたその青い空も
今や濛々と立ち込める砂ぼこりで
灰色に濁って見える

ここは誰の土地だ?

すれ違う主張
堂々巡りの正義
最早何が間違ってて 
何が正しいのかは問題ではなくなってしまった

白でもなく黒でもない 不安定な世界
ここで生き残るために
神の名を唱えることがどういう意味を持つのか
彼等は考えようともしない

正義などない すべては偽善だ!!

白でもなく黒でもない 灰色の世界
死を宣告するサイレンの音に混じって
じいさまの叫ぶ声が聞こえた

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