神の悪戯
文字数 1,747文字
私は、人殺しかもしれない。私が、あの場でしゃがみこんだのがいけない。しゃがみこまなければ友人は死ななくてすんだのかもしれない。これは、私に対する神からの罰で、私はここで死ぬ。落ちた先が何処かも分からぬまま。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
何分、何時間落ちたか分からない頃、誰かの声が聞こえてきた。
落ちていない。身体が宙に浮いた状態で私は、その場に止まっていた。
神と名乗る彼には、天使が持っているような白い翼が無ければ、頭の上にあるであろう輪っかも無かった。
何処からどう見ても普通の人間と見間違う容姿の神様だった。
私の頭の中にたくさんの『はてな』が浮かび出ては消える。何故、私が別の世界に転生しなければならないんだ。私は、神に反論するため、口を開く。
私は、『ご褒美』や『報酬』という言葉に目がない。私は、この話に乗るつもりは無かったのに言葉につられ、とんでもない事を口にしてしまう。
すると、段々と激しい眠気が私を襲う。もうどうでも良い、と私は思い、目を閉じた。