二人の王子様
文字数 1,741文字
しかし、今はそれどころではない。
それと同時に私の腕に激しい熱と痛みが走る。
一応、これで分かった。あの痛みは本物。私が、この世界で生きていく事になったことを思い知らされた瞬間でもあった。
いきなりの出落ち。私は、読者のみんなに謝らないといけない。こんな雑魚キャラで申し訳ない、と。
あれだけの痛みと傷をくらっておいて、私は生きていた。
私が気がついた時には、朝いたベッドの上で緑のローブを肩に羽織ったイケメンの男性がソファーに座り、分厚い本を読んでいるのが目に入った。
はっきり言って傷の痛みは全く無かった。
昨日の事は、これでチャラには出来ないけど多分、私の第2の人生が幕をあける瞬間だったのかもしれない。
ギルバードさんの簡素な魔法に私は、飛びっきりの笑顔を見せ、魔法の素質を探し当てる事を誓ったのだった。