不審者
文字数 510文字
〜〜〜
世界には一つの国しか無いと思っていた
東国兵士
「産めよ増やせ！領土を広げよ！」
西国兵士
「探し求めよ！神秘の力を！」
兵士は"豊かな土地"と"恵愛"を求め、大地を駆け抜けたーーー
そして国境線が衝突する！
第一次 領地拡大戦争 開戦
東国兵士
「奪う敵を殺せ！
西国兵士
「奪われる前に殺せ！
でも皆消えた。
殺す前に消えた。
殺される前に消えた。
光に貫かれて消えた。
おかあさんーーー
おかあさんーーー
光の残像の中で、少女は迷子になる
ごめんなさいーーー
大好きだからーーー
答える者は誰もいない。
瞳が順応した世界にはお母さんがいない
おかあさん……
だが、一人の男がいた。男は少女に問いかける。
夜の住人は光を求める
・・・
・・
・
（お母さんの夢。もう見なくなったと思ってたのに…。悪酔いのせいかな）
（起きるのが辛い）
枕に顔を埋め、深い呼吸をする。
甘い匂いは花の香りだろうか。かすかに果物の甘酸っぱさも感じる。
（……花？私の部屋に花？）
何かが髪の毛に触れたーーー指だ。人の指だ！
私が顔を埋めているのは太ももだ！
部屋に誰かがいる非常事態に全身が覚醒する
セィーーー！
頭上の腕を掴み、不審者をベッドに引き倒す。マウントをとる！
誰だ！
不審者は可愛い顔をしていた。
