テロルの序章【後編】
文字数 1,342文字
高いお茶なんだろうけど、そういう理由じゃない。
第一印象は大きく腰を振る変態だったが、やはり名家の長男。
あれは物腰が柔らかいという事だったのだ。
メイヤの気持ち。ユイヤさんの気持ち。そして、私の気持ち。
難しい問題だがジョイサさんに会うまでは、先延ばしにできる問題だ。
それから私達はポツポツ話した。
・私が任務で行った土地
・猫の習性
・天気の予測の仕方
気が向いた時に、気が向いただけ。
沈黙を共有することは心地よくなっていた。
ーーー
ゴーーーン ゴーーーン
だが、メイヤはすぐに見つかった。
玄関の前で呆然と立っていた。
市場に行くことのなかったカゴから、ゴロンと丸い塊が転がり出た。
私はその人を知っていた。