エピローグ:小さな光
文字数 852文字
夜の住人は光を求める
酒場で面白い話を小耳に挟んだからだ。
高速で服を着脱する男が出没したらしい。
そう、俺は渇いていた。
この民宿街は王都を挟んで、古都テナンと反対に位置する。
エステラがまいた恐怖がこの街まで伝わる時を、王の首を取りに行く頃合いとして待機中の身だ。
そこで恐怖だ。
不本意だが”俺達は危ない奴”だとわからせれば、手っ取り早く国を統治できるはずだ。
……さて、もうそろそろか。
何者かが茂みに潜んで近づいて来ている。
胸を触れられた裸漢はたまらず声がでた。
パフォーマンスが止まる。
彼に無尽蔵のエネルギーを与えた光。
だが、俺にとってはとても小さな光。
夜の住人は光を求めずにはいられない