第36話 シャロン/ジョイ/レイチェル

文字数 573文字

「気分はどうだい?薬を完全に抜かないとね」
 ジョイが横になって寝ているレイチェルを心配した。
 レイチェルもまた、ミラーの家でお世話になっている。
 シャロンの隣りの部屋だ。
「少し良くなってきたわ」
「それはいい傾向だ。もう手を出さない事だな。日々それの繰り返しだ」
「そうね。頑張る」
 シャロンも気にかけてコーヒーを飲みながらレイチェルの部屋までやってきた。
「調子はどう?レイチェル」
「いいよ、お姉ちゃん。ごめんね」
 シャロンは笑顔になり、ジョイはシャロンにウィンクした。
 それを聞いて安心しシャロンはやるべき仕事をするため自分の部屋に戻った。
「ジョイ、お姉ちゃんが好きなのね」
「な、なんだよ、急に」
 ジョイの振る舞いで気づかない人はいない。
「お姉ちゃんには創一郎がいるのよ」
「ああ、わかってはいるんだがなぁ。どうもね」
 どうにもならない悩ましい顔をした。
「私はフリーよ」
「そうなんだ。わかった。その前に自分のからだを大切にしないとね」
 物事はそんな単純なものではないと互いに理解している。

 シャロンが自分の部屋のドアを開けたら頭痛と共に強烈な閃光が目の奥に走った。
目の前が真っ暗になり、しばらくすると徐々にあたりが見え始めた。

 すぐには理解できなかったが、そこは

に行くきっかけだった。
現実の世界からゆっくりと向こうの世界へ再び歩き始めた。










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登場人物紹介

シャロン。特別捜査部処理課SIDの特別捜査官。シーズン1ではSHIHOとして潜入捜査をしていた。過去に治験された薬の影響に悩まされる。<向こうの世界>へ行った経緯がある。

ケイン。特別捜査部処理課SIDの責任者。シャロンのボス。シャロンの父親代わり。

創一郎。ファミリー製薬会社の社長。シャロンの恋人。幼き頃シャロンと同様に治験された過去を持つ。

スティーブン。特別捜査部処理課SIDの特別捜査官。ケインの右腕。シーズン1ではシャロンと共に潜入捜査していた。

レイチェル。シャロンの血のつながらない妹。小学校の先生。

マリア。特別捜査部処理課SIDの特別捜査官。シャロンの同僚。

ステュアート。特別捜査部処理課SIDの特別捜査官。シャロンの同僚。

徹。創一郎の弟。ファミリー製薬会社の天才研究者。

そうじ屋。通称ブラック。スティーブンの仲間で殺し屋。

通称リペア。殺し屋。

ミラー。自称カウンセラー。

ジェームズ長官。

ハリス州知事。

マシュー。高校を中退。<地球守護会>に入会し自然保護活動に没頭する。

グレース。

キム。向こうから来た研究者。

大統領。ケインの昔からの友人。

国家中央情報局 局長 ロバート。

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