第47話 幕切れ~完結

文字数 618文字

 結末はいつもあっけない。
 
 あの時、キムはマシューの家に訪れテロを止めるように話し合っていたが折り合いがつかずつかみ合いの格闘となった。
 最悪の事を想定し持参していた銃を取り出し、キムがマシューの頭を撃った時、テーブルにぶつかったマシューはバイオX菌の瓶を床に落とし菌を部屋中にばらまいてしまったのだ。
 
 そして、人類の危機は脱した。マシュー、キム、グレースが亡くなり目の前のテロの脅威がなくなった。地球守護会のボードンも捕まえることが出来た。
 ただ、中国マフィアBHボスの王まで起訴出来なかった。中国マフィアを撲滅するまで依然としてSIDが狙われていることには変わりない。

 手紙には謝罪文とキム宛だった。
 
 微生物はキムが持ってきたけれど最後に完成させたのは徹だよと書かれていた。
 それはこちらで使うべきだと。
 遅かれ早かれ徹はなら発見するものだから遠慮はいらない。助けられる命は助けるべきだと書かれていた。

「終わったわね。長かった」
 マリアが肩から力がぬけたように言った。
「まだこれからだ。悪がはびこることはない。善が最後は勝つ」
 ステュアートが自分に言い聞かせていた。

 すると、スティーブンの携帯電話が鳴った。
 『俺だ、BHの王が見える。さあどうする?』
 『いつも通りに』
 ブラックからの通話を切った。

 スティーブンは右手の親指を立てケインに実行の合図を送った。
 ケインはうなずいた。

 シャロンはそっとそれを見つめていた。

 完結






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登場人物紹介

シャロン。特別捜査部処理課SIDの特別捜査官。シーズン1ではSHIHOとして潜入捜査をしていた。過去に治験された薬の影響に悩まされる。<向こうの世界>へ行った経緯がある。

ケイン。特別捜査部処理課SIDの責任者。シャロンのボス。シャロンの父親代わり。

創一郎。ファミリー製薬会社の社長。シャロンの恋人。幼き頃シャロンと同様に治験された過去を持つ。

スティーブン。特別捜査部処理課SIDの特別捜査官。ケインの右腕。シーズン1ではシャロンと共に潜入捜査していた。

レイチェル。シャロンの血のつながらない妹。小学校の先生。

マリア。特別捜査部処理課SIDの特別捜査官。シャロンの同僚。

ステュアート。特別捜査部処理課SIDの特別捜査官。シャロンの同僚。

徹。創一郎の弟。ファミリー製薬会社の天才研究者。

そうじ屋。通称ブラック。スティーブンの仲間で殺し屋。

通称リペア。殺し屋。

ミラー。自称カウンセラー。

ジェームズ長官。

ハリス州知事。

マシュー。高校を中退。<地球守護会>に入会し自然保護活動に没頭する。

グレース。

キム。向こうから来た研究者。

大統領。ケインの昔からの友人。

国家中央情報局 局長 ロバート。

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