第45話 中国マフィアの王

文字数 458文字

 いつもチャイナタウンは人が多く、誰かのどなり声でうるさくネズミが走り回り不潔で窮屈だ。
 店がはびこる狭い路地を古びたバイクが何台もぶつかりそうになりながらすり抜けていく。
 この辺りでは一番高級な中華料理店のバックヤードで中国マフィアBHのボスの王と地球守護会のトップのボードンがテーブルに向かい合って座っていた。
 王の横には体が大きいボディーガードが二人とも銃を携え立っている。

「もう資金はやらないぞ。早く始末しろ」
「ええ。手は打っています」
 ボードンは答えた。
「SIDは俺の息子を殺したんだぞ!だから早くしろ!」
「はい。グレースにマシューを使えと指示しておりますので大丈夫かと」
「そのグレースって女は行方不明じゃないのか?」
「も、もし、そうだとしてもマシューはもうすでに洗脳されているので彼は間違いなく動き出します」
「どうだかな。はやくしろ」
 事が済んだら献金してやると言い残して王はボディーガードを引き連れ去っていった。
 残されたボードンはほっとため息をついた。
 
 事態が動くことを見守るしかないと腹を括った。



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登場人物紹介

シャロン。特別捜査部処理課SIDの特別捜査官。シーズン1ではSHIHOとして潜入捜査をしていた。過去に治験された薬の影響に悩まされる。<向こうの世界>へ行った経緯がある。

ケイン。特別捜査部処理課SIDの責任者。シャロンのボス。シャロンの父親代わり。

創一郎。ファミリー製薬会社の社長。シャロンの恋人。幼き頃シャロンと同様に治験された過去を持つ。

スティーブン。特別捜査部処理課SIDの特別捜査官。ケインの右腕。シーズン1ではシャロンと共に潜入捜査していた。

レイチェル。シャロンの血のつながらない妹。小学校の先生。

マリア。特別捜査部処理課SIDの特別捜査官。シャロンの同僚。

ステュアート。特別捜査部処理課SIDの特別捜査官。シャロンの同僚。

徹。創一郎の弟。ファミリー製薬会社の天才研究者。

そうじ屋。通称ブラック。スティーブンの仲間で殺し屋。

通称リペア。殺し屋。

ミラー。自称カウンセラー。

ジェームズ長官。

ハリス州知事。

マシュー。高校を中退。<地球守護会>に入会し自然保護活動に没頭する。

グレース。

キム。向こうから来た研究者。

大統領。ケインの昔からの友人。

国家中央情報局 局長 ロバート。

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