第3話

文字数 281文字

真っ青な顔をしたショウがバスのステップを降り、日差しの中へ出ていくと、リザがそれに続いて公園のトイレへ向かうのを、僕は恋い焦がれるように見つめていた。

バスの後部座席では女子たちが口紅を直し、マスカラを塗ったりしていた。

その間も、リザはショウに手を差し伸べ、彼の背中を擦っていたに違いない。

やがて便所からショウが出てきた。彼は立ったまま便所の方に顔を向けている。

僕は窓の外を眺めながらその様子を見ていた。リザのことが好きだった。喋ったことはほとんどないのに、どうしてこんなに恋い焦がれるのだろう。校舎の廊下ですれ違ったり、キャンパスで見かけたりするとドキドキした。
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