飛び込めサクセスLOVEその2

文字数 1,331文字

私は吸い込まれるように次の日ライブハウスに行った。

お店の店長のイトコの姉の千紗都(ちさと)と一緒に。

「なになに!ライブ?バンド?マジ興味ありありなんですけどー!!普段あんまり追ってないけどね」

と誘った時の千紗都はホントに嬉しそうだった。

スパイダーボックスまで行って
ジンヤの名前がそのままあり、ジンヤの顔はがバッチリ写ってるバンドの「イナズマスパーク」のポスターを見て、

来週ライブがあるって知った。

早速チケットを買い、そしてライブ当日。

熱いライブが繰り広げられていた。

薄暗い中音は鳴り響いていてロックを思わされていた。


ジンヤはベースを弾いていて、

魅惑の赤毛で、ステージ上で直ぐジンヤだって気付かせた。

お店で可愛らしく落ち着いた印象のジンヤだったけど、

ステージの上ではうって変わって

力強くも妖艶であった。

ライトアップが派手に青や緑に光り、その光の中で、
次々と曲を奏でていく。

ハードコアな曲が殆どだけど
ロックバラードが2.3曲。

金髪のロングヘアーのボーカルのハイトーンな歌声で彩られ

プロ並みのギターやドラムも合わさって

十数曲はものの見事に奏でられた。

カッコいいって言葉しか似合わないライブは
終わりのようで、

ステージでボーカルが「ありがとうございました!また来てね!」

って言って、

ジンヤが客席に他のメンバーもするように手を降った。

その時私はジンヤと目があって。

やんちゃっぽく笑顔を作って元気にこちらに手を降った。


出待ちでジンヤに話しかけようとしたけど
人混みでどうにもこうにも行かずに、

ジンヤと話したい欲でモヤモヤしてはち切れそうな心のまま
しょうがなくも千紗都とその場を後にした。


寂しく思っていたけど、

その翌日にはジンヤはお店に来てくれた。

ジンヤと喋りたくってたまらなかったからって、ジンヤが来たのが分かって、

「ジンヤーー!!会いたかった!!」

って目がキラキラしてるはずの感動を覚えながら
心の声を発した。

「ライブうまく行って良かったね!」

って私が言うと、

「やっぱ昨日来てたんだ。ありがと。昨日の出来はそこそこって感じかな。」ってちょっと照れた様子で
ジンヤが言った。

「あーもうジンヤさんサイン下さいー!ホントにスターのジンヤさんよろしくお願いしますっ!」

て私がおどけてみせると

「なんだよお前ー!ただのファンじゃなくってダチな方なのにー。サインならやるけどさ。」

って笑いながらも言った。


「楽しそうにしてくれてありがとね。」

ってカウンターの下から引っ張り出してきた色紙にサインしてくれた後に
ジンヤはそう言った。

サイン貰えた事にも感動しながら

「イナズマスパークってバンドの中で1番イケてるって思っちゃいました。
歌も上手いしー。演奏も上手いしー。」

って私が言うと、

「またライブの日来てよ。もっと熱いのお見舞いしてやるから」

ってジンヤがまた笑顔になり言った。

白い八重歯が可愛らしいジンヤの笑顔がとにかく好きで、

不思議な程見とれてしまう。


ジンヤがその日帰った後もその笑顔が脳裏に焼き付いていて
離れない。

思い出せば顔が熱い。

「早く次のライブのお知らせ下さいージンヤさまっ!」 

って呟き、寝そべりながら胸元にスマホを抱いて目をつぶった。

メモリにはジンヤと交換した連絡先が詰め込まれていた。






 




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