飛び込めサクセスLOVEその3

文字数 1,718文字

メールで次のライブの日がいつか知った。

2週間後の土曜の夜からだという事だ。

私はある作戦を思いついていた。

服は自作にする事にした。

服を作るのは専門生の時以来。

服飾科に通ってたから学祭の時ファッションショーでモデル用に、あと卒業パーティーの時には自分用に作ったものだった。


千紗都にも応援してもらって、ノリで2人分派手カワドレス風で。

自分にはピンク色っぽいもので、千紗都には緑っぽいもので。

背中には「ファン01」「ファン02」って文字と稲妻マークのワッペンを付けて。


それでその服でライブに出掛けたら


「お姉さんオシャレだね」

って明らかに派手ロックおしゃれな服の3人組の女子友グループに褒められて

それで記念自撮り写真に映されちゃった。


「まじイナズマのライブのオフ会とかやろーよ」

と誘われて、後で合うことに。


ちゃっかり友達を作っちゃいながらものこの日。


ライブは前回とちょっと違ってたけど、

それでも前回と同じ魅惑のステージで、
ついつい魅了されてしまうエキサイティングな内容で。

ベースのはずのジンヤがボーカルの代わりにセンターに入ってきて、それで
マイクを握って、

「俺らの新曲聞いてくれー!」


って言って、

ビートもギターのサウンドも激しめで、
ベースの音も凄く響いてて。

予想外にもベースを弾きながらボーカルとして歌い始めたジンヤ。


「Hey Now! 俺らではしゃいで縦横無尽ー 」

って歌声は声高な感じで少年ぽく甘くも聞こえて、

誘うような感じ。


歌っても魅了しちゃうなんて、

なんかずるい感じしちゃうっ!

って思わせるジンヤ。


イケメンだし、楽器上手いし。

めくるめくライブは
私を夢中にさせて、それで虜にさせた。




ライブが終わった後、
ふとスマホを見てみると
ジンヤからメッセージが届いていた。
ビクってして内容を見てみると、

「この後会って。
俺今日打ち上げ行かないから。」


って内容だった。



抜け駆けだと分かっていながらこの後友達と会う約束って嘘を付き、

一緒にいた千紗都と別れを告げ


足を急がせた。

あの後のメッセージで

近くのバーでの待ち合わせを取り決めてたから
その場所まで。


バーに入る前胸がドキンってして一瞬足を止めたけど

それでも直ぐにドアを引っ張り中に入った。


「地下のスペースにいるから」ってメッセージだったから

階段を降りて地下に行くと、


すぐにジンヤがいるのがわかって駆け寄った。


「参戦お疲れ!」


ってジンヤが手を上げて笑顔を作った。


「ジンヤこそお疲れー!」

って私はノリでハイタッチ。

そしてソファの席だったその場所のジンヤの隣に座った。


動悸のような胸の高鳴りは早くも吹き飛び、

すぐに友達同士の時のような気兼ねない気分に包まれていた。


2人だけで打ち上げって事になったけど、

寂しい感じは全然しなくて、

「咲知と無性に会いたくてさ。急に呼んじゃった」

ってジンヤが照れながら言ってくれたのが
嬉しかったから

私は気を良くして

手作りの服とか友達が出来た事とか、

曲の感想を伝えたりだとかいっぱいに話した。

ジンヤが頼んでくれたお酒を飲みながら

「曲名はー何だっけ、忘れちゃったけどHey Now〜からのあの曲が好き!ジンヤが歌ってくれたあの曲ー!」


って私が言うと、

「まじ照れるー!
あれは「イナズマスピード」って曲だから覚えといて。
俺が作ったんだ」


と、ジンヤ言いつつ本当に照れてるみたいだった。


それだけど、しみじみと

「咲知にどう思われるかちょっと自信無かったけど良かった。」


って、更に言ったジンヤ。


「自信無かったなんてこれっぽっちも思えませんでした。
知ってる誰よりもスタイリッシュで堂々とステージをこなしていて、格好よくて。」

と熱烈にも正直に伝えた私。

「へぇー、じゃあイナズマ1俺のこと好きなんだ」

って聞かれて、

「それはもちろん。」

と私はすぐ答えたけど、


「ほんと?正直に答えて」

と言い綺麗すぎる顔で真剣な眼差しで
私を見つめた。

「ほんとにほんとに好きです」

ってちょっと緊張感があったから声を上ずらせながらジンヤにつられて真剣にも言った。



「そっか。じぁあもっと俺の事知って。」



ジンヤは私の肩に手を回して
そして、情熱的にも私にキスをした。

ジンヤが私の長い髪に指を絡ませながらも促されるまま何回も熱くキスを交わした。


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