沙　可能の後

ナイフで刺された心臓は飛び出しつつ可能がくらいつく。

男はしたたかにふいを突かれ刺さっているそのナイフを可能は掴む。

さらに自分の血にまみれた心臓を掴んで殺そうとしている相手の顔へ可能はまさか叩きつけた。

心臓へつながった血管が引き伸びる。

男が退いた。

目に可能の血液が入った事もあって殺人の依頼を受けた日本元自衛隊の男は半人造人間という報告書類は無い。

その為油断したこともあったがしかし心臓が露わになってまで反抗してくるなんてのは。

可能の意識は「　－　おめでとう！！　－　」なぜか清華大学へ入学が決まったときの祖母の拍手と言葉が頭の中で思い出す。

長刃ナイフを自分のものにした。

沙　可能は

肺も潰れている為、声にならない声を上げ全員の男を殺し。

始めて人を殺した。それも5人もの男達を。

その場の駐車場で可能は倒れる。


警察の車両、救急車内では

「　運がいい、傷は無い　」

院内

「　脳波は正常です。心臓も活動中、血中酸素は正常　」

可能は髪を降ろしたストレートに患者衣姿で目を暗くした。

国際憑依グループからの届けで鬼を見る力も復活し。

その時、始めて泣いた。

巨額の金を持つ資産を持つ家に生まれなお人として尊厳は奪われた。

結婚すらしていないものの彼もいて幸せだったはずが。

最高位の霊能力にまで利用できるエリートの国際スパイだという事も自覚していた為その姿は屈辱も遥かに尋常ではない。

同時にこの人殺し劇の（　といっても彼女が死ぬという事態はありえない　）確信犯のギル・アンバーと紫乃　音の意識と会話もワールドサテライトの情報から沙　可能の補足脳として埋め込まれたイメージフラッシュ回路にもすでに流れていた。

しかし

その屈辱心とは違う相打って反した感情が。

―　殺してやる、、、　―

―　怒りが沸くのはあたしが人間の証拠だ　―

―　復讐してやる。アメリカも二ホンもアンバーも紫乃もズタズタに引き裂いてやる　―

可能の意識に人としてあり得ない屈辱と怒りが植え込まれる。

紫乃にとって意外性

『　―　可能にはその復讐できる能力は紫乃が判断する以上に、、、　―　』