月葉の思惑

「　やらせるか、、、よ　」

紫乃はスクリーンに映し出された映像を見ながら。

心の中が乾いていく。

目が覚め切り腕を厚みのあるふとももの上に組んで置いた。

日本人に見える狙撃手が高度３００ｍからホバリングされている陸上自衛隊の多用途ヘリＵＨ－１から紫乃　音の父親であった。

化け物。紫乃　早男の背から射出されていく子たちの頭部を撃ち抜いて行く。

音は額から汗がにじむ。

―　何度見ても　－

エアコンはきて心地いい風のはず。

「　どうしてこんなことに　」

日本東北に発つ前に資料として目を通した映像

その狙撃手は５体目の５０ｍの体から射出（　悪夢の子の産卵　）がされる途中で外す。

「　狙いが狂ったぞ　」

「　ちくしょう　」

９体目の子が射出される。

１０００ｍを越えて5体は日本の国の方向にむかう。

無線音が聞こえる。

「　何体を逃したんだ？　」

「　目視。卵9体の内5体だ　」

「　急きょお前に出てもらったのは目標を外させる為じゃないんだぞ　」

「　ではお前がやれ　」

「　、、、口を聞くな！、、、いや、わかってる。すまん、そこは空中のＵＨ－１の中だったな、、、　」

「　残る半数のドローンを網で捕獲する。それは我々に任せてくれ　」

特殊部隊が答える。

指揮管制内

会話


「　実験体の変貌は異常なものだ　」

「　あの一種のクジラの噴気（　潮吹き　）から出たことは計画どうりだがな　」

月葉　甲斐の姿が。

研究室コンソール

会話は盗聴を避けるため室内ごと電源を落としたうえで音声をコンソールは拾えないようにした。

殺し合いで人間が分かり合えると

確信している男が月葉という人間であり戦争主義者だ


「　Die!　（　－　死ね―！　－　）　」

その兵士の姿をモニターに真顔で見つめている。

「　早いな。力が付いているのは知能も付けているということなのかな　」

ニッタリとほほ笑む。

「　これはチェンバ―開発部もあせるだろうな　」