第19話 異世界召喚(勇者編)
文字数 4,468文字
これは勇者達の物語。フェレンが迷宮を攻略する1週間前の出来事である。
彼らは今台座にいる。50人は入る物に・・・・・・。そしてその下には巨大な魔法陣が掘られておりその周りにはまるで崇める存在かのように膝を着き両手を祈るように握り涙を流していた。
白いローブを着た彼らは立ち上がり髭を長く生やした白装束の男は一言彼らを崇めるように言った。
「ようこそ勇者様方。我らの世界アスラへ」
「「「「「「「「「「はい?」」」」」」」」」
そして一言素っ頓狂な声を出した複数の少年少女達は別の世界から召喚されたごく一般の学生だった。
〈〉〈〉〈〉〈〉〈〉〈〉〈〉〈〉〈〉〈〉〈〉〈〉
そこは日本、数ある文化でも特殊であり自由宗教であり多くの神が奉られている。その日本の中心都市でもある東京。その中心都市の東京の普通の高校。
その高校のあるクラスは今深刻な状況を抱えていた。少数の人達は表情があまり良くなく暗かった。だが、そこにある1人の少年が聞こえるように励ます。
「みんな!もうこの悲劇を乗り越えよう!いつまでも過去に囚われてはダメだ!俺達はこの壁を乗り越えなきゃいけないんだ!だから、みんな頑張ってくれ!」
そんな掛け声を聞くとクラスのみんなは徐々に顔を上げ顔色を良くしていった。そして女子は惹かれるようにその少年に熱い視線を送っている。
そんなカッコいいセリフを平気で言え女子達の熱い視線は笑顔で答える。という超パーフェクトマン。その名を神崎勇太(かんざきゆうた)。
神崎勇太のスペックは言うまでもなく性格優男(正義感が強く思い込みが激しい)、背が高く、頭は賢く、スポーツ万能、そして顔もイケメンという文句のつけようもないといった超ハイスペックマンであり更にはこの学校の生徒会長をやっている。
当然女子からの受けはよく学校では毎日のように下駄箱にラブレターが入っていたり校舎裏で5回は告白されるなどこの学校に知らない人はいない。
また学校にも大きな信用を得ており募金や地域の活動にも大きく貢献(こうけん)しており他の所でも有名人になるくらい人気を得ていた。
そんな中彼にも幼馴染みや親友がいる。
「よう!勇太おはよう」
「おはよう勇太」
「おはよう勇太君」
「おうおはよう!亮太(りょうた)、理紗(りさ)、鈴音(すずね)」
教室の扉から入ってきたのは勇太に集まる主な人達だ。
1番初めに声をかけたのは親友の久瀬亮太(くせりょうた)。身長は少し勇太より低いがスポーツは大の得意だが頭は普通で物事はよく考えない方で努力や根性といった脳筋くんである。
そして2番目声をかけたのが幼馴染みの佐々織理沙(ささおりりさ)。小学校からの付き合いでいつも勇太の正義感や毎回起こすトラブルに苦労される。背は1番低く容姿は綺麗でよく女子からもカッコいいと言われている。少し天然が混じおりそんな所も人気のひとつ。また学校では人気で彼女は気にしていないが男からしてみればロがつく夢のような人物である。
そして最後に声をかけたのがもう1人の幼馴染みであり理沙の親友でもある夜桜鈴音(よざくらすずね)。性格はお人好しでみんなから天使と呼ばれている。また容姿も可愛く多くの男子から目をつけられている。学校の三大美女に入っている。
これがいつも勇太達のグループだ。
「みんな今日はちょっと元気があるね」
そんな言葉に鈴音がビクッと過剰に反応する。そんな事を無意識に言ってしまった理沙はすぐに謝る。この教室でその話はご法度なのだ。
その理由は1週間前に起きた。このクラスにいた1人の少年による事故死だった。彼の名前は月光白夜(つきひかりびゃくや)。至って普通の少年であり成績やスポーツも顔も普通で、変わった所と言えばいつも鈴音に声をかけられていたくらいであり他に目立ったところは無い。
他のみんなは気づいていないだけで鈴音は白夜のことが好きだったのだ(理沙は知っていた)。好きだった故に失ったときの喪失感は絶大だった。幸いにも理沙が励ましてくれたおかげでなんとか持ち直している。
が、夜になると毎回白夜のことを思い出し密かに泣いている。そんな事も知らずにこのクラスのヒーロー勇太マンは人の気持ちを考えずに自分の思い込みで言ってしまう。しかもその言葉には悪意がないので尚更質が悪い。
「鈴音、いつまでもそんなことで落ち込まないでくれ」
「っ!?」
「ちょっと勇太!そんなことって!?」
悪意がなくても鈴音にとってはとても心にくる言葉。
そんな言葉を向けられてば当然泣きたくなる。だが、理沙は鈴音のことを思ってか勇太に反対する。鈴音は勇太の性格をよく知っているので自分の気持ちを抑えて2人を静める。
「大丈夫だよ、理沙ちゃん。ありがとう勇太くん。私のことを思って言ってくれたんだよね?」
「あぁ、分かってくれたか」
苦笑いしつつ密かに表情を暗くする。やはり好きだった人がそんな扱いにされるのは傷つくものだ。そんな気持ちを読み取ったのか理沙が近づき小声で励ます。
「いいの鈴音?あんなこと言わせて言いたいこと言ってもいいんだよ」
「うん。でも、大丈夫だよ。ちゃんと乗り越えなきゃいけないくらい」
「わかったわ。でも無理しないでね。ほら先生が来たよ」
教室から先生が入ってきた。教卓に生徒名簿を置き前を向いて話した。
「今からホームルームを始めます。いない人は手を挙げてください。・・・・・・よし、今日もみんないると」
名簿に記入をしていた人は栗山(くりやま)百々子(ももこ)。髪はショートにしており背が少し低い美人な先生。表情はいつもおっとりとしておりたまに天然が発動する。そんな先生だがたまに怒ると超怖く陰では鬼と言われているほどではあるが生徒からは人気のある先生である。
「それでは号令をお願いします」
「はい!起立!」
全員が勇太の号令で立ち上がり姿勢を正す。礼!と言ったところでみんなは凍りついた。中央の席勇太の足元から青白く光る巨大な円環(えんかん)と幾何学模様(きかがく)が現れた。
これはアニメでもよく見る。俗に言う魔法陣だ。そんな異常に突然起こったことにみんな硬直し眺めている。早くここからでなければいけないと分かっているものの足が動かない。まるで金縛りにあったかのように。
そして光は次第に大きくなり誰も言葉を発さずそうであるかのようにみんなは光に飲み込まれた。異常な光は隣のクラスまで届き不審だと思いながら他の先生が見たところ教室に人はおらず鞄と教卓に置いてある名簿しか残っていなかった。
〈〉〈〉〈〉〈〉〈〉〈〉〈〉〈〉〈〉〈〉〈〉〈〉
目を瞑っていた勇太達、光が突然強くなったので目を瞑って目を守っていたのだ。勇太達は目を開ける。それと同時に白い神秘的な彫刻と大きな人の絵が飛び込んできた。
そんな状況に誰もがザワザワと騒ぎ出す。今勇太達がいるのは白いドーム状の部屋だった。勇太達の下には巨大な台座があり巨大な魔法陣が掘られていた。その周りにはまるで崇める存在かのように膝を着き両手を祈るように握り涙を流していた。
白いローブを着た彼らは立ち上がり髭を長く生やした白装束の男は一言彼らを崇めるように言った。
「ようこそ勇者様方。我らの世界アスラへ。私の名前はスタビル・フォーレス。この聖教教会の教皇の地位におります。以後お見知り置きを」
「「「「「「「「「「はい?」」」」」」」」」
「ここではなんです我らについてきてください」
まだ状況が読み込めず戸惑っているが言われるがまま白装束の男についていくのだった。
〈〉〈〉〈〉
場所は移り着いたのは20メートルくらいある部屋でよく晩餐会が開かれるような場所だった。そして数メートルある長テーブルには人数分の飲み物が用意されておりみんなは好きなところに座った。
落ち着いたところでスタビルは話し始めた。非常にテンプレなファンタジーで。
「あなた方は召喚されたのです。この世界に今からそのわけを話しますがそれまでの経緯が長いので姿勢を楽にしてください」
スタビルの話しを要約するとこんな感じである。
まずこの世界はアスラといい1人の創世神によって創られた。そのアスラには人族、獣人族、エルフ族、精霊族、魔人族の5つの種族に別れている。
人族は西、魔人族は東を支配しており北にはエルフ族と精霊族、南には獣人族といった感じで4つに東西南北と別れている。ちなみに人族と魔人族は数百年前から争いをしておりエルナ族と精霊族は密かに暮らしており獣人族は中立国家である。
その中で魔人族に新たな魔王が降臨したという。普通魔王は降臨することなく復活するはずだが今回は異常で魔王が降臨したという。さらにその魔王は歴代の勇者より強く魔人族の士気を高めているという。
「新たに降臨した魔王によって再びこの人族が滅びるかもしれません。魔王を倒すには歴代の勇者を越す力が必要になります。あなた方を呼んだのは創世神であるアストレア様です。神託でお告げをくれたアストレア様に続いて私からもお願いします。どうか魔人族、魔王を打破し我ら人族をお救いください」
だが、そんな勝手なことを許すはずもなく反対した人達がいた。クラスメイトだ。当然だ勝手に召喚されて世界の命運を握らせる。最悪だ最低だ、そんな言葉が頭に過ぎると同時に反論する。
「ふざけんな!勝手に呼んどいて!」
「そうよ!帰してよ」
「家に帰らせろよ」
「いやよ戦いなんて嫌だよ!」
そんな反論をするクラスメイト達にスタビルは落ち着いてくださいとクラスメイトを落ち着かせる。そのおかげで冷静さを取り戻し黙ってしまった。が、スタビルが言う。
「大丈夫です。あなた方はそんな簡単に死にません」
「はぁ!?一体なんを根拠を言って」
「あなた方は勇者です。当然この世界により召喚されたあなた方の世界の方が力は数十倍もあります。大丈夫です。私が保証します」
「・・・・・・・・・・・・」
スタビルの説明が終わると一気に黙るクラス。だが、そんなクラスには頼れるヒーロー勇太マンがいる。勇太は席を立ちみんなの方に向いて話をする。
「みんなもうどうしようもないんだ。この世界に召喚されてしまった以上やるしかない。俺はやる!この世界の魔人族、魔王を倒しみんなを元の世界に帰せるようにこの世界の人族も救ってみせる」
「そうですか!ありがとうございます。これも神の導きでしょう」
「みんな!やろう!俺たちならやれる!」
「そうだな、俺たちで世界を救ってやろう」
「あまり乗り気には慣れないけど・・・・・・・・・はぁ、やるしかないわね」
「わ、私も頑張るよ」
「亮太、理沙、鈴音」
勇太の正義感が発揮され同時にみんなの表情が明るくなっている。女子の大半は熱い視線を送っている。百々子もまた反論する気力も失われ渋々勇太の考えに乗ることに。
「どうやら決まったようですな。これからもまだやることがあります。まずは王から挨拶を、こちらに着いてきてください」
「よし、みんな!行こう!」
「「「「「「「「「「おう」」」」」」」」」
新たな決意と共にクラスは勇太達のグループを中心にやっていくのだった。
彼らは今台座にいる。50人は入る物に・・・・・・。そしてその下には巨大な魔法陣が掘られておりその周りにはまるで崇める存在かのように膝を着き両手を祈るように握り涙を流していた。
白いローブを着た彼らは立ち上がり髭を長く生やした白装束の男は一言彼らを崇めるように言った。
「ようこそ勇者様方。我らの世界アスラへ」
「「「「「「「「「「はい?」」」」」」」」」
そして一言素っ頓狂な声を出した複数の少年少女達は別の世界から召喚されたごく一般の学生だった。
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そこは日本、数ある文化でも特殊であり自由宗教であり多くの神が奉られている。その日本の中心都市でもある東京。その中心都市の東京の普通の高校。
その高校のあるクラスは今深刻な状況を抱えていた。少数の人達は表情があまり良くなく暗かった。だが、そこにある1人の少年が聞こえるように励ます。
「みんな!もうこの悲劇を乗り越えよう!いつまでも過去に囚われてはダメだ!俺達はこの壁を乗り越えなきゃいけないんだ!だから、みんな頑張ってくれ!」
そんな掛け声を聞くとクラスのみんなは徐々に顔を上げ顔色を良くしていった。そして女子は惹かれるようにその少年に熱い視線を送っている。
そんなカッコいいセリフを平気で言え女子達の熱い視線は笑顔で答える。という超パーフェクトマン。その名を神崎勇太(かんざきゆうた)。
神崎勇太のスペックは言うまでもなく性格優男(正義感が強く思い込みが激しい)、背が高く、頭は賢く、スポーツ万能、そして顔もイケメンという文句のつけようもないといった超ハイスペックマンであり更にはこの学校の生徒会長をやっている。
当然女子からの受けはよく学校では毎日のように下駄箱にラブレターが入っていたり校舎裏で5回は告白されるなどこの学校に知らない人はいない。
また学校にも大きな信用を得ており募金や地域の活動にも大きく貢献(こうけん)しており他の所でも有名人になるくらい人気を得ていた。
そんな中彼にも幼馴染みや親友がいる。
「よう!勇太おはよう」
「おはよう勇太」
「おはよう勇太君」
「おうおはよう!亮太(りょうた)、理紗(りさ)、鈴音(すずね)」
教室の扉から入ってきたのは勇太に集まる主な人達だ。
1番初めに声をかけたのは親友の久瀬亮太(くせりょうた)。身長は少し勇太より低いがスポーツは大の得意だが頭は普通で物事はよく考えない方で努力や根性といった脳筋くんである。
そして2番目声をかけたのが幼馴染みの佐々織理沙(ささおりりさ)。小学校からの付き合いでいつも勇太の正義感や毎回起こすトラブルに苦労される。背は1番低く容姿は綺麗でよく女子からもカッコいいと言われている。少し天然が混じおりそんな所も人気のひとつ。また学校では人気で彼女は気にしていないが男からしてみればロがつく夢のような人物である。
そして最後に声をかけたのがもう1人の幼馴染みであり理沙の親友でもある夜桜鈴音(よざくらすずね)。性格はお人好しでみんなから天使と呼ばれている。また容姿も可愛く多くの男子から目をつけられている。学校の三大美女に入っている。
これがいつも勇太達のグループだ。
「みんな今日はちょっと元気があるね」
そんな言葉に鈴音がビクッと過剰に反応する。そんな事を無意識に言ってしまった理沙はすぐに謝る。この教室でその話はご法度なのだ。
その理由は1週間前に起きた。このクラスにいた1人の少年による事故死だった。彼の名前は月光白夜(つきひかりびゃくや)。至って普通の少年であり成績やスポーツも顔も普通で、変わった所と言えばいつも鈴音に声をかけられていたくらいであり他に目立ったところは無い。
他のみんなは気づいていないだけで鈴音は白夜のことが好きだったのだ(理沙は知っていた)。好きだった故に失ったときの喪失感は絶大だった。幸いにも理沙が励ましてくれたおかげでなんとか持ち直している。
が、夜になると毎回白夜のことを思い出し密かに泣いている。そんな事も知らずにこのクラスのヒーロー勇太マンは人の気持ちを考えずに自分の思い込みで言ってしまう。しかもその言葉には悪意がないので尚更質が悪い。
「鈴音、いつまでもそんなことで落ち込まないでくれ」
「っ!?」
「ちょっと勇太!そんなことって!?」
悪意がなくても鈴音にとってはとても心にくる言葉。
そんな言葉を向けられてば当然泣きたくなる。だが、理沙は鈴音のことを思ってか勇太に反対する。鈴音は勇太の性格をよく知っているので自分の気持ちを抑えて2人を静める。
「大丈夫だよ、理沙ちゃん。ありがとう勇太くん。私のことを思って言ってくれたんだよね?」
「あぁ、分かってくれたか」
苦笑いしつつ密かに表情を暗くする。やはり好きだった人がそんな扱いにされるのは傷つくものだ。そんな気持ちを読み取ったのか理沙が近づき小声で励ます。
「いいの鈴音?あんなこと言わせて言いたいこと言ってもいいんだよ」
「うん。でも、大丈夫だよ。ちゃんと乗り越えなきゃいけないくらい」
「わかったわ。でも無理しないでね。ほら先生が来たよ」
教室から先生が入ってきた。教卓に生徒名簿を置き前を向いて話した。
「今からホームルームを始めます。いない人は手を挙げてください。・・・・・・よし、今日もみんないると」
名簿に記入をしていた人は栗山(くりやま)百々子(ももこ)。髪はショートにしており背が少し低い美人な先生。表情はいつもおっとりとしておりたまに天然が発動する。そんな先生だがたまに怒ると超怖く陰では鬼と言われているほどではあるが生徒からは人気のある先生である。
「それでは号令をお願いします」
「はい!起立!」
全員が勇太の号令で立ち上がり姿勢を正す。礼!と言ったところでみんなは凍りついた。中央の席勇太の足元から青白く光る巨大な円環(えんかん)と幾何学模様(きかがく)が現れた。
これはアニメでもよく見る。俗に言う魔法陣だ。そんな異常に突然起こったことにみんな硬直し眺めている。早くここからでなければいけないと分かっているものの足が動かない。まるで金縛りにあったかのように。
そして光は次第に大きくなり誰も言葉を発さずそうであるかのようにみんなは光に飲み込まれた。異常な光は隣のクラスまで届き不審だと思いながら他の先生が見たところ教室に人はおらず鞄と教卓に置いてある名簿しか残っていなかった。
〈〉〈〉〈〉〈〉〈〉〈〉〈〉〈〉〈〉〈〉〈〉〈〉
目を瞑っていた勇太達、光が突然強くなったので目を瞑って目を守っていたのだ。勇太達は目を開ける。それと同時に白い神秘的な彫刻と大きな人の絵が飛び込んできた。
そんな状況に誰もがザワザワと騒ぎ出す。今勇太達がいるのは白いドーム状の部屋だった。勇太達の下には巨大な台座があり巨大な魔法陣が掘られていた。その周りにはまるで崇める存在かのように膝を着き両手を祈るように握り涙を流していた。
白いローブを着た彼らは立ち上がり髭を長く生やした白装束の男は一言彼らを崇めるように言った。
「ようこそ勇者様方。我らの世界アスラへ。私の名前はスタビル・フォーレス。この聖教教会の教皇の地位におります。以後お見知り置きを」
「「「「「「「「「「はい?」」」」」」」」」
「ここではなんです我らについてきてください」
まだ状況が読み込めず戸惑っているが言われるがまま白装束の男についていくのだった。
〈〉〈〉〈〉
場所は移り着いたのは20メートルくらいある部屋でよく晩餐会が開かれるような場所だった。そして数メートルある長テーブルには人数分の飲み物が用意されておりみんなは好きなところに座った。
落ち着いたところでスタビルは話し始めた。非常にテンプレなファンタジーで。
「あなた方は召喚されたのです。この世界に今からそのわけを話しますがそれまでの経緯が長いので姿勢を楽にしてください」
スタビルの話しを要約するとこんな感じである。
まずこの世界はアスラといい1人の創世神によって創られた。そのアスラには人族、獣人族、エルフ族、精霊族、魔人族の5つの種族に別れている。
人族は西、魔人族は東を支配しており北にはエルフ族と精霊族、南には獣人族といった感じで4つに東西南北と別れている。ちなみに人族と魔人族は数百年前から争いをしておりエルナ族と精霊族は密かに暮らしており獣人族は中立国家である。
その中で魔人族に新たな魔王が降臨したという。普通魔王は降臨することなく復活するはずだが今回は異常で魔王が降臨したという。さらにその魔王は歴代の勇者より強く魔人族の士気を高めているという。
「新たに降臨した魔王によって再びこの人族が滅びるかもしれません。魔王を倒すには歴代の勇者を越す力が必要になります。あなた方を呼んだのは創世神であるアストレア様です。神託でお告げをくれたアストレア様に続いて私からもお願いします。どうか魔人族、魔王を打破し我ら人族をお救いください」
だが、そんな勝手なことを許すはずもなく反対した人達がいた。クラスメイトだ。当然だ勝手に召喚されて世界の命運を握らせる。最悪だ最低だ、そんな言葉が頭に過ぎると同時に反論する。
「ふざけんな!勝手に呼んどいて!」
「そうよ!帰してよ」
「家に帰らせろよ」
「いやよ戦いなんて嫌だよ!」
そんな反論をするクラスメイト達にスタビルは落ち着いてくださいとクラスメイトを落ち着かせる。そのおかげで冷静さを取り戻し黙ってしまった。が、スタビルが言う。
「大丈夫です。あなた方はそんな簡単に死にません」
「はぁ!?一体なんを根拠を言って」
「あなた方は勇者です。当然この世界により召喚されたあなた方の世界の方が力は数十倍もあります。大丈夫です。私が保証します」
「・・・・・・・・・・・・」
スタビルの説明が終わると一気に黙るクラス。だが、そんなクラスには頼れるヒーロー勇太マンがいる。勇太は席を立ちみんなの方に向いて話をする。
「みんなもうどうしようもないんだ。この世界に召喚されてしまった以上やるしかない。俺はやる!この世界の魔人族、魔王を倒しみんなを元の世界に帰せるようにこの世界の人族も救ってみせる」
「そうですか!ありがとうございます。これも神の導きでしょう」
「みんな!やろう!俺たちならやれる!」
「そうだな、俺たちで世界を救ってやろう」
「あまり乗り気には慣れないけど・・・・・・・・・はぁ、やるしかないわね」
「わ、私も頑張るよ」
「亮太、理沙、鈴音」
勇太の正義感が発揮され同時にみんなの表情が明るくなっている。女子の大半は熱い視線を送っている。百々子もまた反論する気力も失われ渋々勇太の考えに乗ることに。
「どうやら決まったようですな。これからもまだやることがあります。まずは王から挨拶を、こちらに着いてきてください」
「よし、みんな!行こう!」
「「「「「「「「「「おう」」」」」」」」」
新たな決意と共にクラスは勇太達のグループを中心にやっていくのだった。