お頭と大将
文字数 1,334文字
ギン、ジエイ、ウィルとミニルの兄妹は港町ニリに直接ミッツ教団の馬車で移動し、街に着いた。
馬車を降りると馬車を御していたミッツ教徒がギン達に声をかける。
「では私はこの街に留まり、皆さんのお帰りを待っております」
「ここまでのご足労感謝する。万一の時はあなただけでもすぐにスップへ戻ってくれ」
「はい、皆さんにミッツ神のご加護がありますように」
その言葉を聞き、ミッツ教徒はその場を去り、ギン達はある場所へ向かおうとしている。
「それでウィル、船を用意しているという波止場に案内してくれるか?」
「おう、親父が船を用意する場所ならあそこしかないから案内するぜ」
そう言ってウィルを先頭に船の波止場へと向かっていく。
道中でミニルが先程のミッツ教徒の言葉についてウィルに話している。
「ねえ兄さん、私達も祝福されているのよ。なんか私うれしい」
「あのな、ミニル、ああいうのはとりあえず誰にでもいうもんなんだよ。決まり文句ってやつ」
「兄さん、もっと素直に受け取ろうよ。実際にルルー様やムルカ様は素晴らしい方だったじゃない」
「ほー、お前の言う素晴らしい方っていうのは、民間人を戦いに巻き込むのか」
ウィルの言い回しにギン達が不快になるかも知れないと思い、たしなめるようにミニルはウィルに言葉を返す。
「ちょっと兄さん、別に私達は強要されたわけではないわ。それに今の言い方あの人達を怒らしてしまうわ」
ミニルの言葉を聞いギンが2人に言葉を放つ。
「気にするな、俺もお前達とそう立場は変わらない」
「じゃあ、あなたはミッツ教団の依頼で帝国と戦っているんですか?」
「あくまで俺は特使の護衛が仕事で帝国との戦いはその延長に過ぎない」
「そうなんですか、あの魔術師の女の子や大きい男の人や武装した女の人もあなたと同じような立場なんですか?」
ミニルの問いにギンが返答をする。
「まあ、簡単に言うとそういう事になるな」
ギンの問いにジエイが補足説明を加えた。
「私は同盟国の者として対帝国に協力しています」
ジエイの言葉にミニルが疑問をぶつける。
「どちらの国から来られたんですか?」
「私はスールの者です」
「隣の国から……帝国1国と戦うのに色んな国が協力するんですね」
話しているうちに波止場らしき場所にたどり着き、1人の男がウィルとミニルに声をかける。
「おっ、待ってやしたぜ、坊ちゃん、お嬢」
「リンド、お前が船を持ってきてくれたのか」
男の名はリンドと言い、ウィルの言葉に返答をした。
「ええ、おか……大将に言われたもんで」
「親父がいねえんだし、別にお頭でもいいだろ」
お 頭 という言葉に疑問を抱いたジエイがウィルに尋ねる。
「ウィル殿、お頭というのはどういうことですか?」
「ああ、こいつは傭兵時代からの親父の部下でよ、海賊気分で親父の事をお頭って呼んでるんだ」
ウィルの言葉にリンドが補足説明を加えた。
「俺だけじゃなくて傭兵時代からの付き合いの奴はみんなそう呼んでましたぜ、もっとも大将がこの仕事を始めたらけじめとして大将って呼ばせるようになりやしたがね」
リンドの話を一通り聞いたギンは船について尋ねる。
「それであなたの後ろにあるのが俺達が乗る船なのか?」
「そうでさあ」
いよいよ船に乗り、小島を目指す時が来た。
馬車を降りると馬車を御していたミッツ教徒がギン達に声をかける。
「では私はこの街に留まり、皆さんのお帰りを待っております」
「ここまでのご足労感謝する。万一の時はあなただけでもすぐにスップへ戻ってくれ」
「はい、皆さんにミッツ神のご加護がありますように」
その言葉を聞き、ミッツ教徒はその場を去り、ギン達はある場所へ向かおうとしている。
「それでウィル、船を用意しているという波止場に案内してくれるか?」
「おう、親父が船を用意する場所ならあそこしかないから案内するぜ」
そう言ってウィルを先頭に船の波止場へと向かっていく。
道中でミニルが先程のミッツ教徒の言葉についてウィルに話している。
「ねえ兄さん、私達も祝福されているのよ。なんか私うれしい」
「あのな、ミニル、ああいうのはとりあえず誰にでもいうもんなんだよ。決まり文句ってやつ」
「兄さん、もっと素直に受け取ろうよ。実際にルルー様やムルカ様は素晴らしい方だったじゃない」
「ほー、お前の言う素晴らしい方っていうのは、民間人を戦いに巻き込むのか」
ウィルの言い回しにギン達が不快になるかも知れないと思い、たしなめるようにミニルはウィルに言葉を返す。
「ちょっと兄さん、別に私達は強要されたわけではないわ。それに今の言い方あの人達を怒らしてしまうわ」
ミニルの言葉を聞いギンが2人に言葉を放つ。
「気にするな、俺もお前達とそう立場は変わらない」
「じゃあ、あなたはミッツ教団の依頼で帝国と戦っているんですか?」
「あくまで俺は特使の護衛が仕事で帝国との戦いはその延長に過ぎない」
「そうなんですか、あの魔術師の女の子や大きい男の人や武装した女の人もあなたと同じような立場なんですか?」
ミニルの問いにギンが返答をする。
「まあ、簡単に言うとそういう事になるな」
ギンの問いにジエイが補足説明を加えた。
「私は同盟国の者として対帝国に協力しています」
ジエイの言葉にミニルが疑問をぶつける。
「どちらの国から来られたんですか?」
「私はスールの者です」
「隣の国から……帝国1国と戦うのに色んな国が協力するんですね」
話しているうちに波止場らしき場所にたどり着き、1人の男がウィルとミニルに声をかける。
「おっ、待ってやしたぜ、坊ちゃん、お嬢」
「リンド、お前が船を持ってきてくれたのか」
男の名はリンドと言い、ウィルの言葉に返答をした。
「ええ、おか……大将に言われたもんで」
「親父がいねえんだし、別にお頭でもいいだろ」
「ウィル殿、お頭というのはどういうことですか?」
「ああ、こいつは傭兵時代からの親父の部下でよ、海賊気分で親父の事をお頭って呼んでるんだ」
ウィルの言葉にリンドが補足説明を加えた。
「俺だけじゃなくて傭兵時代からの付き合いの奴はみんなそう呼んでましたぜ、もっとも大将がこの仕事を始めたらけじめとして大将って呼ばせるようになりやしたがね」
リンドの話を一通り聞いたギンは船について尋ねる。
「それであなたの後ろにあるのが俺達が乗る船なのか?」
「そうでさあ」
いよいよ船に乗り、小島を目指す時が来た。