第64話

文字数 568文字

 夜8時、近くの海岸に行ったら、ものすごく星空がきれいでした。
 風が冷たくて、人もいないし、遠くに貨物船と、耳を横切るのが波の音だけ。こんな時間がもてるのは、私が、特に問題もなく過ごせているからであります。
 もしも私自身が病気だったら、目が見えなかったら、耳が聞こえなかったら、車が無かったら、家から出られぬほどの悩みを持っていたら、家族が大病だったら、海が家から遠かったら、海に砂浜が無かったら。

今日のあの時間、目にし、耳にし、肌に感じた、
星の輝きも月の光も波の音も空の闇が放つ空気も冷たい風も、私には届かないのです。
秋の夜空と海を独り占め状態。。。冷静に考えれば、いつも近くにある風景なのですが、
贅沢の極みだと。。。思えました。

 昨日は昨日で、帰りがけの橋の下では花火大会。咲いては散る花火。こんなに近くで見られるかって
距離で花火がドンパチ。正直寒い中、一人でみる花火は、さすがにめちゃくちゃ虚しくて、空に蓋をしたいくらいでした。
 大輪であろうが、カラフルであろうが、最後は闇夜に消えていく。誰のための花火か?見る人のための花火です。誰のための人生か?言うまでもなく、自分のためです。線香花火の規模でもよいから
私にとって大事な人々の心だけを、和やかにする力が欲しいと思う、今日この頃です。
それが私自身のため、私の喜びかもしれません。




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