桐ノ匣

作者 桐乃桐子

[その他]

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22件のファンレター

1話、1ページ完結の、短いお話を書いていく予定です。
ジャンルはたぶん無節操になるかと思います。

ファンレター

第8話 愛してない

没入感が凄くて言葉を失いました。体温の低い文章のその奥に、ヒロインのトラウマめいたものが無理やり押し込められているような感覚。底に流れているのは、激流のような。そして救いがない中にも、生々しい耽美さを感じてしまいました。 読みながら、「生きるための自傷」という言葉を思い出しました。ヒロインの行為は、まるで自傷のような恋愛みたい。心の痛みを体の痛みに置き換えて、ともすれば乖離してしまいがちな心を痛みで繋ぎとめて。忌まわしい記憶に蓋をして、悲しむことも忘れてしまっているみたいで。 ラストも響きま ... 続きを見る

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第8話

優れた掌編小説というのは、短篇――いや、長編小説をぎゅぎゅっと凝縮したような、ものすごい密度の高さを保つものなのだ……と(『桐ノ匣』は元々粒よりの傑作掌編集ですが)この第8話を読んで改めて感じました。 「いいね!」の星が一つしか押せないのがもどかしいくらいの名作だと思います‼ これは私の勝手な感想なのですが、桐乃さんは虚構のストーリーではあっても、時に自ら傷つきながら書いておられる。でも、決して読者は傷つけない。それが桐乃さんの作品のエンターテインメント性であり、決して読者を置きざりにし ... 続きを見る

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傑作は静かにくる

『桐ノ匣』第7話「これは呪いか祝福か」。 公開とほぼ同時に読ませていただいていたのですが、改めて再読し、頭に浮かんだ言葉が「傑作は静かにくる」…でした。 この作品を読んで、なぜ文章のむだを削ぎ落さなければいけないのかがよくわかりました。「物語」の世界と読者の間に隙間がなくなるんですね…超高性能のイヤホンで音楽を聴くと、「耳で聴く」という感覚がなくなって、「音に身体を包まれるようになる」感覚に似ている気がします。 七塚拓也君との四ツ谷まつり先輩の間には、表面的には何も起こらない。擦れ違い ... 続きを見る

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ビターな呪いか祝福か。

こんばんわ、桐乃さん。第七話の感想です。ガリ勉なので僕には刺激が強かったのですが、ガリガリくん(ソーダ味)であるがゆえ、ドキドキしてまじないの匣の迷宮に吸い込まれました!! 女性がだめんずに惹かれる(『第六話』)ように、男子は〈地雷系女子〉に惹かれてしまうタイプの人間がいます。例えば、僕です。「彼女」とは「彼岸にいる女」ということでもあり、そっちに渡ってはいけない。わかってはいるけどその橋を渡ってしまうことが往々にしてあり、それはのろいのようでもあり、でも、本人にとっては祝福なのかもしれません ... 続きを見る

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第7話 『これは呪いか祝福か』

ぼくと四ツ谷先輩との最後の会話が胸に刺さります。 呪いと祝福は背中合わせ。 「あなたのため」とステレオタイプの価値観を押し付けられ、閉ざされていた心。 ある日突然、魂が触れ合うような人との出会いで、景色が変わってしまう瞬間が訪れてしまう。四ツ谷先輩の思い出が魂に刻印されてしまった、ぼく。 諦観にどこか甘美さが滲み出て、まさに呪いと祝福でした。感服。 こんな完成度の高い作品を次から次へと創作できるなんて、マジリスペクトです! 前回同様ハズいポエムのようなレターになったので、こちらに ... 続きを見る

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2話分、拝読

桐乃さん、こんばんは。6話と7話を拝読しました。 6話の「孤独」。NOVELDAYSなどにおいて、短編や連載で反応をいただきながら書けるなんて、幸せなことなのですよね。 「孤独」もきっと、良作を生むのには必要なのでしょうが……。僕はその幸せを大事にしたいと思いました。 お話としては、他の方も書かれている様な「不穏」な動きにいつなるか? とビビりながら一気に読み通せました。さすがです。 7話は主人公の達観してしまうような境遇に、関心を持ちました。 そして、それが心に残る異性像かあ ... 続きを見る

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『これは呪いか祝福か』

キッチンに立ったまま、最後まで読み切ってしまいました。 すごい…。すごいです。 語彙が貧弱でなんと表現していいのかわかりません。 ただ、「ぼく」の気持ちがわかる…。 そしてこの余韻が深く強く気持ちいいです。 圧巻という表現があっているのか… ありがとうございました。

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星の物語…

桐乃さん、読んでいる間中、ずっとどきどきしっぱなしでした。 憧れの作家とふたりで会える……そんな機会があったら?……読者として私もすっかり妄想の中に浸っておりました(笑) 憧れているからこそ、遠くから眺めているだけでいい。星は遠くから眺めれば美しく輝いているけれど、近づいてみれば、その表面には岩とかがゴロゴロ転がっているのかもしれない。 相手が自分の思い描いているイメージと違っていたら? 幻滅したら? しかもミステリに造詣の深い桐乃さんのこと、ラストの一行まで気を抜けません。ああ ... 続きを見る

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第6話 天狼星

桐乃さん、以前、好きな作家さんとお食事する機会があったと、どこかでお話しされていたように記憶しています。(私の記憶が確かなら……あ、急に心配になってきた) 体験談をベースに綴られているのでしょうか、臨場感があり、私もドキドキふわふわ、夢見心地の気分で文章を追いかけました。でもあと少しで読み終えてしまう、もう少し読んでいたいと頭の片隅で思いながら。(桐乃さんの作品を読むといつもそうなります) ラストは本当にその通りだと実感しました。孤独の深度と共鳴して、明るく輝くシリウス。 書くことは自 ... 続きを見る

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天狼星

素敵なお話……。 読み始めた時は不穏な展開になるのだろうか…それとも……と、ビクビクしながら読みました。 そこから物語がどんどん進み、それでも私は もしかして実はこの人は… などと訝しみながら読んでいました。 そして読み終えて、こんな捻くれた自分を反省しました。 とても美しく、まっすぐで澄んだ物語でした。 グッときました。 ありがとうございます。 野暮な質問かもしれませんが、桐乃さんの実話ですか…?

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第5話 怖い夢を見ないように

森先生のWシリーズを彷彿とさせる近未来の時代背景のようで、現代っぽくもある。 そこに、キルドレのような子どもと不思議な関係の男性二人。 物語そのものも、SFのようで、現代ドラマでもあり、ミステリ要素もあって……時代も性も年齢も人間関係も、何もかもがボーダーレスのような独創的な世界観。 でも、物語が動き出すに連れて、子どもはキルドレなんかじゃない、少女である、大人になりかけている年頃……と、少しずつ「個」を確立していく感じがしました。 そして、特殊な形態の家族像が浮かびあがり、それを繋 ... 続きを見る

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良作揃いの短編集

桐乃さん、こんばんは。第一話から第五話まで拝読しました。読み応えのある短編揃いで、感銘を受けました。 第三話も今回の第五話も、男性二名のお話なのですね。どうもこういう話で、男女のペアだという先入観が自分にはあるのだなあと、気付かされてしまいました。うーん、まだまだだ。今回の第五話はもちろん、主題はそこではないのですが。 そしてその第五話ですが、これは短編の少女向けマンガの原作にふさわしいと思ってしまいました(不快な発想なら申し訳ありません)。おそらくうちの娘は食い入るように、繰り返し ... 続きを見る

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怖い夢を見ないように

高度なことをサラッと行なってしまう桐乃さん、まさに真骨頂の作品ですね。 ヒロインの成長にあわせて文体が変わっていき、ミステリーのようなSFのような。 視界の狭い暗い世界から、ドアが開いて光が差した途端、羽が生えたように中空に舞い上がる視点、そして世界。それはもう鮮やかに軽やかに。 二人の男性キャラも、説明的でないのに内面が滲み出てきて、それに合わせて外見がそこはかとなく立ち上がってきます。 ネタバレしてしまいそうだからあまり書けないけど、不遇だったヒロインがお姫様のように大切にされる ... 続きを見る

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新しい家族の形(『怖い夢を見ないように』)

冒頭の部分の主人公のモノローグがほとんど平仮名で書かれ、その「計算された読みにくさ」によって、いったい誰がどんな状況に陥っているのかと、もどかしいほどの興味が湧いてきて、続きを読まずにはいられません! 途中で三人称に視点が変わり、三人の名前や職業は明らかになっていきますが、肝心な三人の関係性は謎のまま……さらに沙羅さんの外見の問題など、ミステリアスな雰囲気が続き、ぐいぐい引き込まれます。 都築さんと真木さんの会話も、何かを明らかにすると同時に、何かを隠すようで……その匙加減が絶妙さに、読 ... 続きを見る

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第4話 約束

昔話のように淡々とした物語運びなのに、幾重にも織り込まれた慈しみや切なさが垣間見えました。 孫娘にカミサマのご加護を得ることが、ただひとつの願いという祖父の無欲さ。カミサマが好むのはそんな静謐な人間なんだろうなぁ、という説得力があります。 そして祖父が、孫娘を守るためについた「嘘」が反転して「約束」に変わる、さり気なくも鮮やかな手法。 この物語のエピローグは、別の物語へのプロローグのようにも思えます。桐乃さんの作品はいつも余韻が素敵。 豊富なバリエーションを持つ『桐ノ匣』、次はどんな物語 ... 続きを見る

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『約束』

しんと透明に研ぎ澄まされた物語の世界に誘われて……。 出先だったのですが、そのまま(人の邪魔にならないように端に寄って)立ったまま最後まで読んでいました。 『神話』を読ませていただいたような気持ちになりました。 人の思いと自然が寄り添って、でも、もたれ合わずに大切なものを守るために凛と立って……。 静かだけど力強く、最後、諦めを掬い取って押し出す大きなやさしさに「生きていく」ということの希望とはかなさを感じました。 繊細な織物のような作品、何度も読ませていただきたいです。

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第3話

途中まで読んで「はっ、これは桐乃さんの多彩なレパートリーのうちの一つ、●●!?」と色めきだちました。しかし、読み進めるうちに自分を恥じ入り……(汗)。これは、まごうことなき……見返りを求めない愛。 主人公のツンデレ気味な「彼」の描写。いくら素っ気なくしても漏れてしまう動揺、そして主導権が「彼」にあることで、「彼」がとても魅力的であることが伝わってきます。 そしてこのテーマを正面から描くのって、躊躇してしまいがちですが、まったく誤魔化さずに時代を描ききっていると感じました。 そしてとにかく主 ... 続きを見る

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煙が目にしみます

途中、一人称が出てきたとき、「あれっ?」となって文頭までスクロールしていました。まだまだ未熟者です。ちょうど、電子書籍のおすすめサンプルで『わたしは壁になりたい』という作品を少し読んだところだったのに…。 もう少し未来のお話…本当に無事でよかったです(TT) イケメンなのに服のセンスがあららな彼、いきなりの電話の誘いも魅力的です。 彼を思う深い気持ちが伝わってきて…本当にもうなにもいらないんだろうな、と思いました。 本当に相手を思うということは、相手の幸せを願うことですよね。。。それ ... 続きを見る

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2話

私、このお話大好きです。後半じわっときちゃって。 人間でも動物でも、なにかを救うということは、自分を救うことに繋がるように感じました。打算も計算も無く、ただ自分を選んで頼ってくれた無力な小さな命を救う。それに“理由はいらない”。小さな命を引き取るのは、いろいろな面倒ごとも引き取ることになるのだけれど、それを補って余りある明るい未来を連れて来てくれた。余裕のある生活をしていなくても、誰かの役に立ちたいとずっと願って行動していた主人公の内面の崇高さ、それをちゃんとわかってくれる人達(プラス動物)と ... 続きを見る

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素敵な物語

素敵な物語。本当に、素敵な物語。 ありがとうございました。

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