第51話 レイシーズ来たる

文字数 436文字

 シベリン王子の行動はすばやく、アトロス島の部隊は、準備を固めた。
 ネムと進行について話し合い、アトロス島の部隊は、ガダル川をさかのぼって、大陸に上陸することに決まった。あとは、出発を待つばかり。
 しかし、彼らはリムの海峡を渡らなければならない。海の天候が問題だ。
 人々は、今の晴天が続くことを期待した。部隊が準備に追われているころ、このアトロス島に近づく、一そうの船の姿があった。
「間に合ったようだ。急いでくれてありがとう。船長」
「いいや。それよりレイシーズさんよ。嵐のこと」
「ああ。こんなに晴れてるのに、やっぱり来るかい?」
「間違いないね」
「じゃ、君たちはもどってくれ。嵐に、巻き込まれないうちに」
「そうしますよ。で、あんた帰りはどうするんで?」
「島の船に乗せてもらうさ」
「なるほど」
「君たちは大丈夫かい?」
「今から返せば、なんとか。今夜、この近くにいなければ平気でしょう」
「今夜か」
「夜おそく。それも、急にね」
 レイシーズは、島におりた。船は、すぐにもどっていった。
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