第10話 第2部仮定ヘリックス プロローグ
文字数 290文字
T市にある進学校と名高いK高校へ入るのも特に苦労はなかった。
努力もなかった。達成感もなかった。
みほりにとっては当然のことで驚きも喜びもなかった。
クラスの人間は馬鹿ばかり。
流行のものばかり追いかけて、くだらない話をおもしろいと笑っている。
もっと考えることがたくさんあるだろうに時間と頭脳の浪費ばかりしているようにしか見えない。
話を合わせるのも馬鹿らしい、と気づいたのは夏休みが明けてからだった。
みほりは退屈だった。退屈だからやってみた。
名前も覚えていないようなクラスメイトの机に書いたのだ。あと数日で死ぬ、と。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)
(ログインが必要です)