変化../麻弓
文字数 1,588文字
遼へメッセージを連投していた時だった
赤らんだ目元を隠すかのように 少し俯きながら娘はそっと立っていた
娘は静かに 私の目の前へと座る
私はあまり長くなりすぎないように
今までの事を娘へと話し始める
軽く俯いたままの娘
何も言わない私に 娘が首をかしげる
まさか同じ学校に通っているなんて思いもしないじゃない?
さすがに驚きが隠せなかったわ
どんな顔をしてるのか見に行ってやろうと思って 下校の時間を狙って行ったの
顔も知らないし 分かるわけがないって思ったけど…
でも止められなかった 許すことができなかった
ずっと黙って話を聞いていた娘が口を開く
言葉に詰まる娘
と言葉にする娘は瞳いっぱいに涙を浮かべる
ボロボロと泣き出す娘を私は抱きしめる
もし 彼女が子供を授かっていなかったら
なんて事を考えなかった訳ではない
あの日 あの時に彼女が居なければ 娘がいなければ
私たち3人は幸せに暮らせていたのかもしれないと
寂しい思いをする事もさせることもなかったのかもしれないと
私も娘も 考えられずにはいられなかった