混沌../遼
文字数 1,359文字
麻弓たちの家から帰宅するも
自宅の電気はついておらず真っ暗だった
携帯で時間を確認するも 夜7時
いつもなら2人とも家にいる時間のはずなのに
パチン
パッと明るくなったリビングの壁や机には写真で溢れ
椅子に座っている慶子は何処か一点を見つめている
異様な光景に恐怖を覚える
ゆっくりと首を動かし
歪な笑みでこちらを見つめる
机に置かれた写真に目をやると
そこには一昨日取られたであろう
俺や麻弓、理沙ちゃんの姿があった
写真をぎゅっと慶子は握りしめる
ずっと隠したままの生活なんて出来やしない
けど 本当の事を知って 誰かが悲しむぐらいなら
バレなければ 誰もが幸せで入れるんじゃないだろうかと
そんな甘いことを考えもした
分かっていたはずだった
慶子の顔が強張る
慶子は握りしめていた写真を投げる
慶子の顔が青ざめる
慶子が頭を抱える
バチン
鈍い音が部屋に響き
左の頬がじんわり熱くなる
慶子はボロボロと涙を零す
言われるがままに リビングを後にする
リビングから微かに泣き声が聞こえる
いつの間にか背後に居た 藍がこちらを見つめる
…藍にも話さないと、か