違和感../慶子
文字数 643文字
…
いつも通りに見えてそうじゃない
歩いていく彼の後ろ姿を見つめる
まま？どうしたの？
んー？
突然愛してるーなんていうから、ちょっと照れてただけよ
なにそれー
藍は無邪気に笑う
はいはい、藍も早く学校に向かうこと！
遅刻するわよ？
はーい！
ぶんぶんと大きく手を振る藍に、私は手を振り返す
朝の遼は何か変だった
どうして暗い顔をしていたのだろう
もしかしたら仕事のことで何か悩んでいるのだろうか？
不安になった私は遼へメッセージを送る
様子が少し変な感じしたけれど、大丈夫？
何かあったなら相談してください
お仕事は無理せずにね
奥村さーん！
元気に駆けてくるのは後輩の芦塚くんだった
あら、芦塚くん
朝から元気ねぇ
そうですか？
僕は普通ですよ
若い人は違うわねぇ…
何を言ってるんですか！
奥村さんだってお若いですよ！
はいはい、お世辞ありがとう
芦塚くんは爽やかイケメンの男の子だ
会社の女子にはキャーキャー言われている上に仕事もできる
そんな彼はいろんな人から人気と信頼がある
私が新人教育係として、芦塚くんに仕事を教えることになったのだが
それからと言うもの芦塚くんは私の後を追うようになった
若い子が慕ってくれる事に悪い気はしないけれど…
奥村さん？
何考えているんですか？
芦塚くんが懐いてくれてて嬉しいなぁ…
って考えていたのよ
なっ！何言ってるんですか！
急にやめてください！
ちょっとからかってみたのだが
彼は耳まで真っ赤にし、慌てている
芦塚くん可愛いわね
からかわないでください！！
軽く拗ねてしまった芦塚くんをなだめつつ
私たちは会社に向かうのだった
