崩壊../遼
文字数 1,149文字
と笑う慶子
目元には少しクマがあるようだった
いつもなら真っ先にと玄関にくるのに
軽く額へと口付けをする
扉を開けると嬉しそうに女の子は抱き着いてくる
女の子に手を引かれるがままに家へと入る
2人してどこかよそ行きの恰好をしているかと思えば
そういうことだったのか
女の子はだいぶ俺との関わりに慣れてきたのか
最初の頃の様な壁がほとんど感じられなかった
ふと 家を出るときのことを思い出す
藍 寝ているのか?
珍しく朝の見送りがなかったから 心配しているよ
ゲームに夢中なら良いけれど 目を悪くしないようにね
出張で2日ほど家を空けるけど 終わったらすぐに帰るよ
と返事をし 携帯を片手に麻弓の元へと向かっていく
何故 後ろで立っていたのだろうか…
麻弓はため息をつく
扉を開け外に出る
照れくさそうに笑う女の子の頭をそっと撫でる
カシャ
麻弓はそっと腕を絡ませる
カシャ
ボソボソと呟き 耳を赤くする麻弓
とそっと女の子も腕を絡ませる
カシャ
カシャ
家族、か……
2人は何してるかな…