第15話 1月3日 第1章 午後の事情聴取 第4節 学歴詐称疑惑

文字数 454文字

 「ブルラス大学卒業、
というのは嘘なんですか?」
 聴取は学歴詐称疑惑関連に移った。

 「知らないっつってんじゃねーかよ!」
 ベムが逆切れした。

 「その学歴を、
あなたの著書に載せませんでしたか?」

 「載せておりませんけど」

 「これが見えませんか?」

 ベムの著書の、経歴が記載されている
ページを開いて目の前で見せる。

 「ああ、載ってますね。
知らなかったんです。
素晴らしい経歴でしょ?」

 「ふざけんなよ。
ふざけないでくださいよ。
ふざけるのもいい加減にしろ!」
 男性警察官がキレた。

◇◇◇

 「ブルラス大学の卒業生リストの中に、
あなたの名前はありませんでした」

 男性警察官が調査報告書を見てから、
ベムの目をまっすぐに見て言った。

 「わかっています。
そのことについても起訴状ですか?」

 「そのことについては
出版社と相談してからとなります」

◇◇◇
 
 ベムが、15時半から
取り調べを再開してもいい、
などと言ったので、
男性警察官の頭に血が上った。

 「もう、この人
…オセさん呼んで来ようか」
と言い、
ドアを勢いよく閉めて出ていった。
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登場人物紹介

ベム:キリスト教の亜流、ダレム教の最上位神父。ゼップル県ルイク市の中堅神父時代を経て、ニュウベラス県ピュク町のダレム教会最上位神父に昇格して現在に至る。人生哲学が独特で、女性に対して残忍である。

テレヌ:ベムの現在の恋人。ベムに名前を『ロン』と偽られている。ベムに結婚の約束をされていて、100万ゴールドを貸している。以前はアダルトビデオに出演していたこともある性依存症の女性である。

ロン:ニュウベラス県ピュク町のダレム教会の中堅神父。ハンサムなので女性信者のファンが多い。ベムに嫉妬されていて、身体的虐めを度々受けている。ベムを軽蔑している。

パレ:ニュウベラス県ピュク町のダレム教会の神父。ベムの複雑かつ権威主義的心理を理解し、ベムの神経を逆なですることはない。ベムに気に入られて可愛がられている。神父としての昇格を狙っている。

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