第14話 1月2日 第2章 拭えない尻
文字数 929文字
「反省しているんだったら、
お金を工面することはできませんか?」
女性警察官は、借金を返済させ、
詐欺で立件しない方向
にもっていきたいのだ。
「この前、テレヌに会おうとして
電話したんですけど、
断られちゃったんです。
お金を返す方が先だって。
銀行口座に振り込んでからに
してくださいって」
「あ、それは、
警察が指南したことです」
「そうだったんですか」
ベムは、うなだれた。
「お金がないって、
弱いってことなんですね」
ベムは、
自分の状況を客観的に見て評論した。
◇◇◇
「ごめんなさい、ごめんなさい、
テレヌさん、本当にごめんなさい」
ベムは十字を胸の前で切ってから
両手を目の前で組み、
2人の警察官の前で
テレヌに懺悔をしていた。
「お金を返した方が、
気分的にも明るくなるけど、
やっぱり無理だな」
◇◇◇
「あなたを愛する女性は
いないのですか?」
女性警察官が聞いた。
「女性が自分のことを
愛するなんてことは、ありえません」
ベムが答えた。
「テレヌさんは?」
「テレヌは、私のことを、
愛してはいませんでした」
「テレヌさんのことは、
全く信用していなかった、
ということですか?」
「もちろんです!」
ベムは声を張り上げた。
「あの人は僕のことを
可哀そうな人だと思っていただけです。
可哀そうだからご飯を作ってくれたり、
お金貸してくれたりしただけなんですよ」
「もしあなたが神父ではなかったら、
結婚していたんですか?」
「していたかもしれません。
ですが、
テレヌからどれだけ借金をしたとしても、
結婚する気なんてなかった。
取れるだけ取ろうと思ってました」
ベムの頭の中は
『搾取』のことだけだった。
「お金のために近づいた」
「そうですよ」
「だけど、
裕福な女性ではないですよね」
「裕福な女性が他にいるんです」
「その人を今狙っている、
ということですか?」
「はい。激しく狙っています」
「ちょっと脱線しちゃったんで
元に戻します。
あなたはテレヌさんに、
借金の100万ゴールドを
返すつもりですか?」
「いえ、そのつもりはありません」
「それでは、
詐欺で立件する方向で
よろしいでしょうか」
「はい。お任せします」
ベムは、
詐欺で立件されることになった。
時刻は23:50になっていた。
お金を工面することはできませんか?」
女性警察官は、借金を返済させ、
詐欺で立件しない方向
にもっていきたいのだ。
「この前、テレヌに会おうとして
電話したんですけど、
断られちゃったんです。
お金を返す方が先だって。
銀行口座に振り込んでからに
してくださいって」
「あ、それは、
警察が指南したことです」
「そうだったんですか」
ベムは、うなだれた。
「お金がないって、
弱いってことなんですね」
ベムは、
自分の状況を客観的に見て評論した。
◇◇◇
「ごめんなさい、ごめんなさい、
テレヌさん、本当にごめんなさい」
ベムは十字を胸の前で切ってから
両手を目の前で組み、
2人の警察官の前で
テレヌに懺悔をしていた。
「お金を返した方が、
気分的にも明るくなるけど、
やっぱり無理だな」
◇◇◇
「あなたを愛する女性は
いないのですか?」
女性警察官が聞いた。
「女性が自分のことを
愛するなんてことは、ありえません」
ベムが答えた。
「テレヌさんは?」
「テレヌは、私のことを、
愛してはいませんでした」
「テレヌさんのことは、
全く信用していなかった、
ということですか?」
「もちろんです!」
ベムは声を張り上げた。
「あの人は僕のことを
可哀そうな人だと思っていただけです。
可哀そうだからご飯を作ってくれたり、
お金貸してくれたりしただけなんですよ」
「もしあなたが神父ではなかったら、
結婚していたんですか?」
「していたかもしれません。
ですが、
テレヌからどれだけ借金をしたとしても、
結婚する気なんてなかった。
取れるだけ取ろうと思ってました」
ベムの頭の中は
『搾取』のことだけだった。
「お金のために近づいた」
「そうですよ」
「だけど、
裕福な女性ではないですよね」
「裕福な女性が他にいるんです」
「その人を今狙っている、
ということですか?」
「はい。激しく狙っています」
「ちょっと脱線しちゃったんで
元に戻します。
あなたはテレヌさんに、
借金の100万ゴールドを
返すつもりですか?」
「いえ、そのつもりはありません」
「それでは、
詐欺で立件する方向で
よろしいでしょうか」
「はい。お任せします」
ベムは、
詐欺で立件されることになった。
時刻は23:50になっていた。