第15話 1月3日 第4章 夜の事情聴取 第2節 いやらしい神父

文字数 386文字

 「なんとなくなのですが、
あなたが、ピュク新聞に載せた
写真や文章から、
どのような淫行をしたのかが
読み取れる気がするんですけれど。
あなたが神父になった本当の理由は、
洗礼と称して数多くの淫行が
可能だからなのでしょうか」

 「申し訳ありません!
申し訳ありませんでした!」

 「淫行については認めた、
ということで、じゃ次。
詐欺についてですが」

 「いやらしい神父
…詐欺についてちゃんと答えてください」

 「はい」
 ベムは、検察から
事情聴取されている実感が、
かなり湧いてきた。

◇◇◇

「いやあ、誰に聞いてもね、
あなたのことを、
いやらしい神父さんって言うんですよ。
あなたが関わってきた…」

 「ごめんなさい」

 「なんでそこでごめんなさい、
なんですか?」

 「いやらしいことは、
重々承知しているんですが、
自分の性癖が、
どうにもとめられなくて。
昔から、風俗通いをしていて、
お金がどんどん減っていって…」

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登場人物紹介

ベム:キリスト教の亜流、ダレム教の最上位神父。ゼップル県ルイク市の中堅神父時代を経て、ニュウベラス県ピュク町のダレム教会最上位神父に昇格して現在に至る。人生哲学が独特で、女性に対して残忍である。

テレヌ:ベムの現在の恋人。ベムに名前を『ロン』と偽られている。ベムに結婚の約束をされていて、100万ゴールドを貸している。以前はアダルトビデオに出演していたこともある性依存症の女性である。

ロン:ニュウベラス県ピュク町のダレム教会の中堅神父。ハンサムなので女性信者のファンが多い。ベムに嫉妬されていて、身体的虐めを度々受けている。ベムを軽蔑している。

パレ:ニュウベラス県ピュク町のダレム教会の神父。ベムの複雑かつ権威主義的心理を理解し、ベムの神経を逆なですることはない。ベムに気に入られて可愛がられている。神父としての昇格を狙っている。

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