第15話 1月3日 第1章 午後の事情聴取 第5節 オセさん
文字数 744文字
1月3日、15;07。
取調官がオセさんになった。
「あなたは、何をしたのですか」
「僕はテレヌに、
100万ゴールドを借りて
…かわいそうな状態にしてしまいました。
学歴のことは、知らなかったんです」
「知らなかったじゃ済まされないのです。
著書を出版する前に、細かいところまで
最終チェックなどはしなかったのですか?」
「え?チェック
…チェックはしませんでした」
◇◇◇
「反省の色は見て取れませんね」
オセさんは、女性警察官に耳打ちした。
「かわいそうな状態に
してしまったことは、
反省しているのです」
ベムはオセさんから、
警察官として長年勤めて滲み出てきた
魄のようなものを感じ取り、
少しおとなしくした方が
得策だと考えた。
「なんでかわいそうに
なっちゃったんでしょうか」
オセさんは、
ベムのパーソナリティに合わせた
言葉遣いをした。
「お金をとられて、
(エッチ)しまくられたからです」
ベムはまんまと誘導され、
被害を与え続けていたことを
自白させられた。
「あなたはさっき、
気持ちいいことをしてあげる代わりに、
お金を受け取った、
とおっしゃいませんでしたか?
矛盾していますね」
オセさんは、
ベムの表情を睨みながら、
険しい真顔で言った。
ベムは、
オセさんの目が怖くて、怯んだ。
「早く、帰してもらえませんか。
家族が心配するので」
ベムは、まるで泣き出しそうな
子供のような表情を浮かべて頼んでみた。
「ご家族とは同居されていませんよね」
オセさんは、
のらりくらりと供述を二転三転させたり、
嘘をついたりして、
はぐらかしているベムに、
すかさず指摘した。
「あ、そうでした」
ベムは、
オセさんの目があまりにも怖かったので、
相手がオセさんだということを忘れ、
咄嗟に嘘をついてしまった後で、
嘘と認めるしかなかった。
取調官がオセさんになった。
「あなたは、何をしたのですか」
「僕はテレヌに、
100万ゴールドを借りて
…かわいそうな状態にしてしまいました。
学歴のことは、知らなかったんです」
「知らなかったじゃ済まされないのです。
著書を出版する前に、細かいところまで
最終チェックなどはしなかったのですか?」
「え?チェック
…チェックはしませんでした」
◇◇◇
「反省の色は見て取れませんね」
オセさんは、女性警察官に耳打ちした。
「かわいそうな状態に
してしまったことは、
反省しているのです」
ベムはオセさんから、
警察官として長年勤めて滲み出てきた
魄のようなものを感じ取り、
少しおとなしくした方が
得策だと考えた。
「なんでかわいそうに
なっちゃったんでしょうか」
オセさんは、
ベムのパーソナリティに合わせた
言葉遣いをした。
「お金をとられて、
(エッチ)しまくられたからです」
ベムはまんまと誘導され、
被害を与え続けていたことを
自白させられた。
「あなたはさっき、
気持ちいいことをしてあげる代わりに、
お金を受け取った、
とおっしゃいませんでしたか?
矛盾していますね」
オセさんは、
ベムの表情を睨みながら、
険しい真顔で言った。
ベムは、
オセさんの目が怖くて、怯んだ。
「早く、帰してもらえませんか。
家族が心配するので」
ベムは、まるで泣き出しそうな
子供のような表情を浮かべて頼んでみた。
「ご家族とは同居されていませんよね」
オセさんは、
のらりくらりと供述を二転三転させたり、
嘘をついたりして、
はぐらかしているベムに、
すかさず指摘した。
「あ、そうでした」
ベムは、
オセさんの目があまりにも怖かったので、
相手がオセさんだということを忘れ、
咄嗟に嘘をついてしまった後で、
嘘と認めるしかなかった。