第15話 1月3日 第1章 午後の事情聴取 序節 導いたもの

文字数 255文字

 1月3日、13:37。

 ベムは引き続き、
警察で事情聴取を受けていた。

 昨日の深夜、
在宅起訴が決定してしまっていた。

 「起訴内容は?」
 ベムが聞いた。

 「起訴状の読み上げは、
私たちの仕事ではありません。
検察や裁判は、次の段階です」
 女性警察官が答えた。

 「なんでこんなことに
なってしまったのでしょう」

 在宅起訴が決定したベムが、
下を向いて嘆いた。

 「すべてはあなたの行いです。
誰かのせいではありません」

 「僕は何をしても許されるのに。
だって、神父なんですから。
神様は僕を導き、常に
肯定してくれているはずなのに」
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登場人物紹介

ベム:キリスト教の亜流、ダレム教の最上位神父。ゼップル県ルイク市の中堅神父時代を経て、ニュウベラス県ピュク町のダレム教会最上位神父に昇格して現在に至る。人生哲学が独特で、女性に対して残忍である。

テレヌ:ベムの現在の恋人。ベムに名前を『ロン』と偽られている。ベムに結婚の約束をされていて、100万ゴールドを貸している。以前はアダルトビデオに出演していたこともある性依存症の女性である。

ロン:ニュウベラス県ピュク町のダレム教会の中堅神父。ハンサムなので女性信者のファンが多い。ベムに嫉妬されていて、身体的虐めを度々受けている。ベムを軽蔑している。

パレ:ニュウベラス県ピュク町のダレム教会の神父。ベムの複雑かつ権威主義的心理を理解し、ベムの神経を逆なですることはない。ベムに気に入られて可愛がられている。神父としての昇格を狙っている。

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