第2話 12月23日の洗礼    第2章 困窮妻

文字数 346文字

第1節 拒絶

 12月23日、2人目の来訪者。

 「今日はどういったご相談でしょうか」

 「生活費が足りなくて、
2人の子供を育てられないんです。
辛くて」

 「洗礼は受けていかれますか?」

 「あ、いえ、今日はやめておきます。
お金もないし。
ただ神父さんに話を聞いて欲しくて」

 「神様と一つになれば、
お金がどんどん入ってくるでしょう。

今後の生活も
安心できるものになるでしょう。
お子様も健全にお育ちになるでしょう」

 ♡  ♡  ♡

 洗礼を受けることにした
中年の女性信者は、

素直に応じることなく、

「恥ずかしい」
「そんなことできない」

などと敬語を使わずに拒否し続けた。


 受付嬢が中年女性に触れて
安心感を与えながら促し、
どうにか儀式を進めようとするが、

「いやーだ」
「そんなことできないよ」

などと拒否の連続であった。
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登場人物紹介

ベム:キリスト教の亜流、ダレム教の最上位神父。ゼップル県ルイク市の中堅神父時代を経て、ニュウベラス県ピュク町のダレム教会最上位神父に昇格して現在に至る。人生哲学が独特で、女性に対して残忍である。

テレヌ:ベムの現在の恋人。ベムに名前を『ロン』と偽られている。ベムに結婚の約束をされていて、100万ゴールドを貸している。以前はアダルトビデオに出演していたこともある性依存症の女性である。

ロン:ニュウベラス県ピュク町のダレム教会の中堅神父。ハンサムなので女性信者のファンが多い。ベムに嫉妬されていて、身体的虐めを度々受けている。ベムを軽蔑している。

パレ:ニュウベラス県ピュク町のダレム教会の神父。ベムの複雑かつ権威主義的心理を理解し、ベムの神経を逆なですることはない。ベムに気に入られて可愛がられている。神父としての昇格を狙っている。

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