第15話 1月3日 第3章 検察官 第2節 蝋燭を垂らすということは
文字数 679文字
「蝋燭を、
裸の信者さんに垂らす、
ということは、
やけどが体中にできますよね。
旦那さんがそのやけどを見て、
どう思うんでしょうかね。
治療費にどのぐらいかかるのか。
痕は完全に消えるのか、
一生残るのか。
女性の肌ですよ。
一生消えない傷になるかもしれない。
あなたはどれだけ多くの信者さんに、
やけどの痕を
つけてきてしまったのですか?」
検察官は、静かな声で、
ベムの心に届くように話を続けた。
「それから、寒いっていうから
蝋を垂らした、とのことですが、
寒いと言っている人に、
あなたは蝋燭を垂らすのですか?
今日は寒いですね。
熱い蝋を
垂らしてあげましょう、って」
警察官がベムの腕をつかみ、
右手の甲を検察官の前に置いた。
検察官が持参した蝋燭に、
ライターで火をつけた。
そして蝋を、
ベムの右手の甲に垂らした。
「あつい!あつい!
あついです!やめてください!」
「あなたは信者さんに、
やめてください、と言われて、
やめましたか?」
「あつい!あつい!やめてください!」
「苦情がきたそうですよ。
いくらやめてくださいと言っても、
やめてはくれなかったそうですよ。
やめてくださいといっても、
やめてもらえないことは
幸せでしょう?
あなたはこの幸せや喜びを、
信者さんに与えるために、
蝋燭を垂らし続けたのでしょう?
幸せですか?」
「アツイ!アッツイ!
アツイ!アツイアツイアツイ!」
「ダレム教の教義によると、
あなたはこれで、
次元上昇するんですよね」
「アツイ!アッツイ!アツイ!
アツイ!アツイ!アツーイ!」
ベムは5分間ほど、
蝋燭を垂らされ続けた。
「次元上昇して良かったですね。
感謝してください」
裸の信者さんに垂らす、
ということは、
やけどが体中にできますよね。
旦那さんがそのやけどを見て、
どう思うんでしょうかね。
治療費にどのぐらいかかるのか。
痕は完全に消えるのか、
一生残るのか。
女性の肌ですよ。
一生消えない傷になるかもしれない。
あなたはどれだけ多くの信者さんに、
やけどの痕を
つけてきてしまったのですか?」
検察官は、静かな声で、
ベムの心に届くように話を続けた。
「それから、寒いっていうから
蝋を垂らした、とのことですが、
寒いと言っている人に、
あなたは蝋燭を垂らすのですか?
今日は寒いですね。
熱い蝋を
垂らしてあげましょう、って」
警察官がベムの腕をつかみ、
右手の甲を検察官の前に置いた。
検察官が持参した蝋燭に、
ライターで火をつけた。
そして蝋を、
ベムの右手の甲に垂らした。
「あつい!あつい!
あついです!やめてください!」
「あなたは信者さんに、
やめてください、と言われて、
やめましたか?」
「あつい!あつい!やめてください!」
「苦情がきたそうですよ。
いくらやめてくださいと言っても、
やめてはくれなかったそうですよ。
やめてくださいといっても、
やめてもらえないことは
幸せでしょう?
あなたはこの幸せや喜びを、
信者さんに与えるために、
蝋燭を垂らし続けたのでしょう?
幸せですか?」
「アツイ!アッツイ!
アツイ!アツイアツイアツイ!」
「ダレム教の教義によると、
あなたはこれで、
次元上昇するんですよね」
「アツイ!アッツイ!アツイ!
アツイ!アツイ!アツーイ!」
ベムは5分間ほど、
蝋燭を垂らされ続けた。
「次元上昇して良かったですね。
感謝してください」