第21話

文字数 602文字

放課後、三葉ちゃんが遊びに来た。
ひとりで。
珍しい。
ていうか、初めてだ。
三葉ちゃん、思い込んだ時の行動力すごくて、そんな時は普段しっかりしてる明日葉ちゃんも型なしかも。
それか、何か企んでる。
両方だった。
わたしの部屋で練習しよう、って。
わたしは練習用に小さいアンプ買ってあるから、ふたりでリズム隊として練習しようって。
そうしながら大きい音で練習出来る場所を探そうって相談だった。
「これはとりあえずあすはには内緒ね」
そして、明日葉ちゃんと3人、毎週カラオケに行く計画。
これは大賛成!
時々、いや、毎回ギターとベース持って行って、自分が歌わない時は曲に合わせて練習しよう、とか、どのカラオケ屋さんがいちばん安いかとか、夢中で話した。
わたしはふたりが姉妹なのが羨ましかった。
一緒に練習出来るから。
わたしはひとりで練習してばっかり。
でも、そうでもないみたい。
わたしの部屋に三葉ちゃん特製ドラムキットが組みあがった。
少し合わせてみる。
お互い時々つっかえるけど、やっぱり2人のが楽しい!
3人なら、もっと楽しいだろうな。
「明日葉ちゃんも呼ぼうよ!」
わたしが言うと、三葉ちゃん
「まだダメだよ。少し上手になって、あすは焦らせないと。今度はわたしたちが引っ張り込むんだ」
じゃあ、カラオケ案を早急に実現しないと。

問題は、わたしたちが小・中学生ということ。
うちのママだって、お仕事で忙しいから同伴は無理だろうし。
パパに相談してみよう。
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