第8話

文字数 514文字

みは、ドラムやりたいな。
だって、楽しいもん。
もっと背が伸びないと、届かないぶんやりづらいのかな?
パパが手を叩くのに合せてたら、なんだかハイハットだけでも楽しい。
「じゃ、同時にスネアも叩いてみようか。」
何故か両手でふたつ叩くとだんだんズレてくる。
「みーさん、ちいさいから手クロスすんのしんどそうだな。コレに変えてごらん、ライドっていうんだけど」
パパが右側の大きなシンバルを指差す。
「おー、良いね。実はおれ、見た目的にこっちのが好きなんだよ。ライドの手前の太鼓も叩いてごらん
」 
「それはフロアタムって言うんだ」
うるさいな。
でも、楽しいかも。
「みーさん、このテンポだと疲れて狂って来るから、半分に落とそう。今一小節に4回刻んでるから、2回にしよう。」
「そしたら同じリズムで右足のペダル踏んでごらん」
ドン、ドン、ドン、ドン
「みーさんうまいぞ!完璧だよ。じゃあさ、左手を2回に一回に減らしてみて。」
ドッ、タン、ドッ、タン
パパはギターをアンプに繋ぎ出した。
パパはウザいけど、わたしは楽しくなって、一応不機嫌な顔しながら、ずっと叩いていたくなっていた。
きっとあすはとせりちゃんが替わって欲しがるに違いない。
だから、パパ、早くギター鳴らしてよ!


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