第22話

文字数 572文字

パパが来た。
引っ越しの時積み切れなかった、わたしたちの自転車持って来てくれたんだ。
ほんとはもっと早く運ぶ予定だったんだけど、パパ交通事故起こして車ダメになっちゃって、しばらく軽の代車だったから、運べなくなっちゃった。
やっと前と同じデリカ買った時には今度はママと喧嘩しちゃって。
その時ママ機嫌悪くて大変だったよ。
パパのバカ。
なんだかママの機嫌良くなったなーって思ってたら、やっぱりパパが来た。
パパね、こっち来た時は近くのカラオケ屋さんにひとりカラオケ行くんだ。
歩いて15分くらいのところ。
それとなく、小・中学生だけで行っちゃダメなのかな?って聞いてみたら、話して来てくれた。
そしたら、お店のおばさんが、保護者代わりに同室してくれるって!
楽器の持ち込みもオッケーだって。
せりちゃんに大ニュースが出来た!
バカなパパも、たまには役に立つな。
翌朝パパはもう居なかった。
もうちょっとギターの事聞きたかったけど、仕方ない。
なんだか最近みはがわたしにぎこちない。
せりちゃんも。
わたしはひとりでコード鳴らしながら歌う練習してる。
あの時の「恋はみずいろ」。
あのピーズのはカラオケにはないみたいけど、違うバージョン歌ってみよう。
あとは、カラオケ代どうするかだな。
ママはお金ないし、わたしもお年玉入るまであんまりないし、パパはもっと貧乏だ。
まだまだ、悩みが尽きないよ。
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