第9話:銀行口座開設後、ポルトガルへ

文字数 2,226文字

 その後、レフが我々はソ連を出てヨーロッパで定住する地を探していると話した。暖かい所で比較的治安が良く経済が安定していて移住し易い国を教えてもらいたいと話した。するとポルトガルが一番の候補になると言われ投資ビザが最も手軽に手に入る国と教えてくれた。これで手続きと質問を終え、珈琲、紅茶とチョコレート、ケーキが出された。アーロンは米国人でアメリカのMBAを取ってスイスのプライベートバンクに就職したそうだ。

 レフの英語の上手なのに驚いて米国人ですかと聞いてきたのでロシア人と答えると信じられないと言った。それ以上個人的な事には踏み込まない方針なのかマリアファミリーにそれ以上質問をしなかった。プライベートバンクの口座から自分達の銀行口座に送金が必要な時は連絡下さいと言われた。ホテルはとアーロンが聞くので、まだと言うと彼が電話を入れてホテルを取った。

 何故そんなにサービスしてくれるのか、また費用はと、聞くと、アーロンがプライベートバンクは全てのサービスは基本的に無料。だから信用できる高額の預金者だけしかプライベートバンクに口座を開けないのですときっぱりと言った。そしてプライベートバンクの豪華な車でホテルへ送ってくれ、その晩ワインで乾杯しベッドに入った。ジュネーブを出発してポルトガルのリスボンまで飛行機で3時間程度と意外に近かった。

 1986年11月、ポルトガル移民局に直接に行き英語のできる担当者と話した。ポルトガルは移住希望者の受け入れ条件は資金額よりも移住の動機・理由・意思が重視される様だった。レフがソ連時代の苦労話と自由を求めてヨーロッパの国を探し回った。そして気候が温暖で歴史があるポルトガルに移住を希望したと打ち明けた。家族7人が生活する資金は十分ある事などを説明した。移民局の担当者が移住したいという理由はわかった。

 一番簡単な方法は75万米ドルの住居用住宅を購入するか不動産の購入が合計で75万米ドルなれば良いと言った。これで一家三代で移住する選択もでき居住権取得後5年で永住権、6年で帰化を申請ができますと教えてくれた。また海外の口座からポルトガルの送金についても免税となりますと説明してくれた。最近、移民の人達が増えてきていると教えてくれた。

 その後、リスボンだけでなくコインブラ、ポルトなども素敵な町ですから、是非、行ってみて下さいと言いきっと気に入ると思いますよと笑顔で説明してくれた。そこでポルトガルで便利が良くて治安が良い場所の立派な家を探すためにレフとマリアが見て回る事にして残り人達はリスボンのホテルに長期に宿泊することにした。2泊3日かけてポルト、コインブラを見て回り、リスボンと比較検討してみた。

 リスボンが首都で店を出し易いが物価が高い。治安もそれ程良くないし混み合った感じで落ち着かない。コインブラは名所、旧跡が多く景色も良いが小さな観光都市というを感じがした。ポルトは海に面して市街地もきれいで大きな川が町中を流れ景観規模も最高で大きい素晴らしい都市。リスボンは有名な観光都市で都心部の繁華街で治安が多少悪いが便利でポルトガルの首都。

 ヨーロッパ最西端の長い歴史ある素晴らしい都。それらを総合するとポルトかリスボンのどちらかと言うことになった。そこで滞在のホテルのコンシェルジュに聞くと、お金があるならリスボンの方が良いと言った。次に大手不動産屋さんを訪ねて聞いてみることにした。購入理由はと聞かれ、海外からの3代の移住で一番下が5歳で全員で12名と言った。

 次に不動産の予算はと聞かれ50万ドルで2軒というと子供さんの留学も考えてますかと聞く
ので考えてますというと、それならリスボンですね、教育、交通、役所、全てポルトガルで一番ですからと答えた。ただ25万ドルの家ですと街の中心というわけには行きませんといった。マンションと一軒家どっちが良いかと言うので一軒家と答えた。しかしリスボンではマンションが多いと言った。

 不動産屋がリスボンではマンションの方が多いというので3階建てのマンションの売り物件を見る事にした。賃貸マンションで買い手が減って困っている物件を安く買うと言うのも良い選択だと教えてくれた。店舗付きマンションを聞くと、むしろそっちの方が売り物件が多いと言った。永住権なら75万ドルですねと言い、それだけあれば、探せますよと言った。留学を考えているならシントラが良いと言った。

 ポルトガル一の名門、カルルーチ・アメリカン・インターナショナルスクール・オブ・リスボンという私立の米国系の学校が近くにあると言った。その地区を中心に見てみますかと言われた。海辺の景色の良い所と言うと近すぎると塩害で苦労するから高台のマンションで海から1km以上離れた所の方が良いと言った。今、言われた条件で探してみると言った。店舗はレストラン系、洋品店など、どんな職種がよいかと聞かれたレストラン系と答えた。

 わかりました、いつから家探しをしますかと言うので、明日から見学したいと言うと、何人で来ますかと言われたので五人と言った。泊まっているホテルはと聞かれKホテルと言うと明日の朝十時に迎えに行きますので、ロビーで待ってって下さいと言われた。翌日、八人乗りのワゴンでやってきた。乗り込んで、すぐに一応条件に合いそうな物件七つ選びましたので、ごらん下さいと言われた。
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