第2話 ダン間違は夫婦漫才で

文字数 1,507文字

アニメ「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」Ⅳの最後で、皆がリューに、ベルを助けてくれた礼を言い、リューの話を聞く場面で、どうして、
「いつから、おまえ・・・ベルと呼ぶようになったんだ?」
と誰かが問わないのか?アイシャあたりが口に出して・・・。
 というわけで、こんな場面を作ってみました。

「あ―!」
と一同。そして、その後、ベルも一緒に詰問が。
「何もなかったですよね、リューさん?」
「そ、そうです。ただ・・・裸で抱き合ったのは・・・互いの体が冷えすぎたので・・・。」
「リューさん!」
「えー!」
「な、何にも・・・温めあっただけですよね!なにもやましい感情なんて・・・。」
 必死に取り繕うベルに、じ~と不満そうな視線を向けるリューは、
「そ、そりゃ、わ、私なんか魅力なんかないから・・・。」
「いえ、そんな・・・とても華奢で、柔らかくて、可愛くて・・・。」
「ベルの・・・背中は暖かくて、逞しくて・・・。」
 真っ赤になって向かい合って、下を向く二人に、
「なんか、新婚夫婦の恥じらいみたいだ・・・。」
 さらに黒いオーラを感じたベル君は、
「そ・・・リューさんは酷いんですよ。スライムの臭い水を僕だけに飲ませて、自分は飲まないで。」
「あ、あれは、予備としてとっておこうとして・・・。て、あんな不味いのを私に飲めなんて!」
「やっぱり、不味いと思って飲まなかったんじゃないですか。」
 一転して言い争え二人に、
「まるで、夫婦の痴話げんかだな。」
との一言に固まる二人。
「ほとんど半裸のリューさんを、ベル様がおんぶして・・・。」
「な、何だって!べ、ベル君に抱いてって・・・!」
「ベ、ベル様、何でそのお願いを聞いちゃうんですかあ~!」
「ふ、二人で抱き合ったまま眠っちゃったわけですよね?」
と一同の追求も、
「生きるために、戦うために・・・やむを得ず・・・ですよね?」
「そ、そうです。・・・でも・・・ベル・・・それだけ・・・私は楽しかった・・・。」
「そ、それは僕も・・・。」
 また、真っ赤になって下を向く二人に、
「もういい~。二人とも、その関係は終わりだ!」
とヘスティアの叫びで有耶無耶に。

 後日。ロキファミリアにて。
「面白いってなかったよ。それでさあ。」
とロキがさらに言おうとした次の瞬間。バキ!大きな音と共に、壁に大きなひびが。
「すみません。腕が滑りました。」
と感情のない声。アイズだった。
 一瞬、言葉を失ったロキだったが、すぐに立ち直って、続けようとした。
「でもさ、あの二人は絶対に。」
 再び大きな音。さらに、大きなひびが。
「すみません。今度は足が滑りました。」
 また、アイズだった。さすがにロキもさすがに色を失った。
「た、多分あの二人は何でもないと思うな~。」
 ロキは慌てて言った。
「大丈夫です。体は滑ません。」
とアイズ。冷や汗を流しながら、作り笑いをするロキとため息や含み笑いする、ロキファミリーの面々。

 そして、
「というわけで、ベル君とリュウちゃんのラブラブの大活躍で全てが解決されたわけさ。・・・で、それでいいのかな~?」
 ヘルメスはフレイアの前で大弁舌をさせられ、それが終わると不安そうに、ソファーに座ってワインの入ったグラスを弄ぶフレイアを見た。
「あらどうしてかしら?私の可愛い坊やが、女性にもててうれしくないはずがないでしょう。それに。」
 妖しい笑みを浮かべて、視線を向けるフレイアにヘルメスはぞくっと、身震いをした。"恐怖?魅惑?"
「そんな坊やを、女達から取り上げて、私だけのものにするなんて、と~ても楽しいじゃないの~?」
 高笑いする彼女の前に、ヘルメス戦慄と快感で立ち尽くすしかなかった。
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